1つのキャンパスで2つの学校に在籍
英語で学んで創造力や主体性を養うダブルディプロマコース

文化学園大学杉並中学・高等学校

あらゆることに挑戦できる環境を整え、一人ひとりの才能を開花させる

2015年に日本で初めてダブルディプロマを導入した文化学園大杉並中高。今年は高校の2期生が卒業を迎えた。また、今年度から中学にダブルディプロマ準備コースを開設。教育の特色について、松谷茂校長に話を聞いた。


―ダブルディプロマ(以下、DD)コースの概要や目的を教えてください。

松谷 日本とカナダの両カリキュラムを学び、双方の高校卒業資格を取得できるコースです。生徒は校内に設置されたカナダ・ブリティッシュコロンビア(以下、BC)州教育省認可の「Bunka Suginami Canadian International School(BCS)」と、文化学園大杉並高校の両方の学校に在籍します。カナダの授業はBC州教員主導のもと英語で、日本の授業は日本語で受けるバイリンガルスタイルです。日本・海外を問わず難関大学への進学を目指すことができます。第3期生となる今の高3生から文系・理系コースに分かれ、より幅広い進路選択が可能になりました。

日本の従来の知識偏重型のカリキュラムと異なり、カナダの教育は思考力を積み上げる学習形態です。十数年前から幾度となく教育改革が行われ、OECDの学力調査(PISA)でもカナダは上位に位置し、国際的に認められています。そうした新しい内容の教育を取り入れられることもDDの利点です。

さらに、今年度から「ダブルディプロマ準備コース」を中学に開設しました。希望者が2年次に選択できるコースで、英語の授業は週10時間のうち8時間をBC州の教員が担当します。数学や理科も英語で学びます。言語技術と数理能力に基づいた批判的思考力・創造性を高めるのが本コースのポイントです。

―DDコースでの学び、身につけられる力などについて教えてください。

松谷 DDコースに入学の決まった生徒は入学前の3日間でDDオリエンテーションキャンプに参加します。これは、気持ちを作り上げてDDコースの授業に入りやすくするための研修です。入学して約3カ月後の7月からは5週間の短期留学が始まります。カナダの歴史や文化を学びながら社会科系の「Social Studies 10」の単位を取得するのが目的です。生徒は語学力を鍛えながら精神面でも成長を遂げ、自信をつけて帰ってきます。帰国後は学習に対して非常に積極的になり、「やればできる」という風土ができあがります。

最初は生徒の英語力に差があるので、数学と理科はカナダと日本の教員2名体制で授業を行っています。はじめにカナダの教員が英語で5分間説明し、その後日本の教員がフォローします。その結果、理解力が非常に伸びました。生徒が互いに教え合う環境があり、助け合って学習しています。

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―進路指導について教えてください。

松谷 部活動と勉強を両立させるようにしています。部活動は原則18時までですが、中学生は19時、高校生は20時まで残って自習することができます。課題はなるべく学校で済ませるよう指導しています。

朝は主に英数国の科目で10分間の小テストを実施しています。放課後はクラス担任と面談を行ったり、苦手教科の補習をクラス単位で実施したりしています。また、特進コースでは外部の講師を呼んで放課後講習を行い、大学受験に備えています。

―今後の学習の展望について

松谷 今年度より導入したプログラミングの授業に対応するため「Play Labo」を新設しました。ホワイトボードやプロジェクターを備えた教室で、椅子や机は自由に配置を変えることができます。また、今後は一教科だけではなく、横断型の授業に切り替えていかなければなりません。各教科をどのように融合させるのかを考えるのがこれからの課題です。本校では文理一体型の教育を踏まえ、STEAM(Science、Technology、Engineering、Art、Mathematics)教育を強化しました。Play Laboが学びの興味関心を引き出すのに役立てばと思います。

一方、来年度より中学1年生の英語力トップ層約20名を対象に、新たにBC州の教育を取り入れるカリキュラムを開始します。通常週9時間の英語の授業を1時間増やして10時間確保しました。8時間はBC州の教員による授業で、DD準備コース同様、数学や理科も1年生から英語を使って授業をします。英語からスタートして数学や理科まで広がり、生徒の力をさらに伸ばしていく点が大きく変化しました。高校のDDコースでは世界のトップ100に入る海外大学をはじめ、東京外国語大、早稲田大、上智大、ICUなどへの進学者が出ていますが、いずれはハーバード大やスタンフォード大といった海外一流大学も目指していきたいと思っています。

本校では何事にも一段高い目標を持って挑むよう指導しています。中途半端ではなく、価値観を高め、やりたいことを思い切りやるのが大切です。自分の可能性を試したいという生徒はぜひ本校で挑戦してください。英語をはじめ様々なことに力を入れていますし、部活動も盛んで人間形成をしっかり作っていくことができます。

取材日:2019.6.28