英検の年間合格者数が全国一位
海外語学研修など、多彩な経験ができる國學院高校

國學院高等学校

あらゆることに挑戦できる環境を整え、一人ひとりの才能を開花させる

中高一貫校が多い都内の私立校としては珍しい高校単独校として、バランスのとれた全人教育を行っている國學院高校。併設大学である國學院大學への進学だけでなく、他大学を目指す生徒も多く、幅広い進路を実現している進学校でもある。また、英検への合格者数は全国の高等学校で最多で、2年連続で「文部科学大臣賞」を受賞。その教育の特色について、入試広報部長の柳町和洋教諭、副部長の幸松世剛教諭と谷崎美穂教諭に話を聞いた。


左:入試広報部 部長 柳町 和洋/中央:入試広報部 副部長 幸松 世剛/右:入試広報部 副部長 谷崎 美穂

2020年の東京五輪に向け、大きく変貌するスポーツと文化の聖地「神宮外苑」に程近い場所にある國學院高校。昨年創立70周年を迎えた伝統校だ。日本の私立大学の中でも最も長い歴史を誇る大学の一つ、國學院大の付属校でありながら進学校の顔を持つ。例年、國學院大に推薦入学する生徒は約20%程度。他大学に一般入試で受験する生徒が多く、幅広い進路を実現している。柳町和洋教諭が國學院高校の特色について、こう話す。

「高校単独校で、コース区分もないので、全員が同じスタートを切ることができるのが本校の特色です。その分、基礎基本を徹底できるというメリットもあります。また、一つのことに特化せず、社会に出たときに必要な基礎力を身につけることを重視し、勉強や部活動、語学研修など、学校生活に関わるさまざまなことに、全力で取り組める環境があります」高校3年間で大学受験に対応できるよう、カリキュラムは主要3教科について、標準より単位数を増やし、基礎学力をしっかり養う指導体制を整えている。また、英語教育では学内での取り組みと海外語学研修を両輪に、高い語学力と国際人としての素養を磨いている。

全国の高校で最多の英検合格者数を輩出

英語教育の学内での取り組みの一つが、英検対策だ。大学入試改革が進む中、2020年度からは新しく始まる大学入試制度で英語外部試験は一層重要となるため、高校で試験対策を行うことは、大学入試への準備にもなる。こうした状況に先んじて、國學院高校では3年前、全員が卒業までに英検2級を取得することを目標に1、2年生を対象に年3回の英検受検を必修化。また、長期休暇中の講習を年5回実施し、その内の3回を全員必修とした。目標とする級と学年ごとにクラスを分けて習熟度別に学べる仕組みがある。英検対策をはじめた経緯について、幸松世剛教諭がこう話す。

「英語は大学入試にとって文系・理系を問わない主要教科なので、学力の底上げをするために必修化しました。外部の講師による英検の講習を取り入れることで、英語科教員にとっても3年間の学習の筋道を立てやすくなりました。全員が英検に向けて気持ちを集中させ、同じ方向を向いて切磋琢磨しながら取り組んでいます」

英検対策を本格的にスタートしてから、年間の合格者数が全国の高等学校で最多となり、2年連続で文部科学大臣賞を受賞した。今春の卒業生の英検2級以上の取得者数は65%で、年々アップしている。準1級合格者数も増えているという。

来年の推薦入試では、出願要件にも英検のスコアを導入する予定だ。幸松教諭が言う。

「真面目に取り組む生徒が多い本校の生徒の気質も、合格者数の増加に表れています。また、1年次のうちに多くの生徒が海外語学研修に参加し、本物の英語に触れていることも英検へのやる気を高めるきっかけになっています」

毎年参加者が増えている海外語学研修

英検とともに、英語教育の両輪の一つである海外語学研修は、主に夏の長期休暇中に行われている。入学式直後に開かれる海外語学研修の説明会への参加者は300人〜400人と多く、入学前から海外語学研修への参加を希望している生徒も多いという。

今年は3カ国5コースの多彩なプログラムに、約260人強が参加した。1、2年次に続けて参加する生徒もいる。ホームステイをしながら現地校に通い、現地の高校生と交流を深めつつ、観光地をめぐったり、英語で日本文化を紹介するなど、様々なアクティビティがある。また、今年からカナダ・ビクトリア島でのサイエンスコースを設置。理科の実験をしたり、生態系などについて英語で学ぶなど、自然に触れられる機会も多い。海外語学研修の参加者は年々右肩上がりだ。谷崎美穂教諭がこう話す。

「受け入れ人数の枠は設定しているのですが、定員を超えてしまうこともしばしばです。現地でいろんな経験をして、自分が言いたいことを英語で伝えられないもどかしさを感じたことが帰国後、英語学習へのモチベーションにもなっているようです」

2年生対象の英語力育成に特化したカナダへのプログラムでは、現地の語学学校に約2週間通い、さまざまな国の学生と共に、少人数クラスで英語の授業を受ける。この他、推薦入試で大学進学が決まった生徒向けに、3年生の1月から卒業式前後までの2ヵ月間、短期留学するオーストラリアへのプログラムもある。

「高校生の多感な時期は、経験したものからいろんなことを学べる時期です。親もとを2週間も離れて新たな文化に触れる海外語学研修のほかにも、本校には歴史教室や文学研修など、多彩な学びの機会を設定しています。そうしたプログラムを通して、人間的にも成長しています」(谷崎教諭)

勉強や海外語学研修、体験学習など、充実したプログラムがあり、学校生活に関わるすべてのことに全力で取り組める。最後に、柳町教諭が受験生に向けてこうメッセージを送る。

「本校には、真面目に、自分らしくいろんなことをしながら楽しく過ごせる雰囲気があります。高校3年間で自分を成長させ、社会に出るための力を養いたい人にはお勧めの学校です」

取材日:2019.7.10