進化を続ける巣鴨の国際プログラム
SUGAMO SUMMR SCHOOL

巣鴨中学校・高等学校

スーパーエリートと過ごし情熱に火をつける6日間巣鴨サマースクール

首都圏の男子校として唯一、イギリスの名門イートン校へのサマースクールに生徒を送り出している巣鴨中学校・高等学校。このプログラムをはじめ、さまざまな国際プログラムがある。2年前にスタートした独自の巣鴨サマースクール(SSS)もその一つだ。新たなプログラムを加えながら、年々進化する巣鴨の国際教育に迫った。


巣鴨中学校・高等学校には、世界を舞台に活躍できる人材を育てる多彩な国際プログラムがある。2002年から始まった世界有数の名門校・イートン校(イギリス)のサマースクールは、首都圏の男子校で唯一参加を承認されている。高1〜高2を対象としたこのプログラムには、毎年約40人が参加している。

イートン校・サマースクールと同じような体験をより多くの生徒が味わえるようにと、2年前から始まったのが、巣鴨サマースクール(SSS)だ。中2〜高1の希望者が対象で、毎年抽選になるほど人気のプログラムだ。

長野・蓼科で実施されるSSSでは、英語力を養うとともに、異文化を理解する幅広い視野や創造力、協調性を身につけることを目標としている。オックスフォード大やケンブリッジ大の卒業生で、歌手、元水泳選手など、多種多様な経歴を持つ講師陣を招聘。それぞれの専門分野を生かし、歴史やドラマ、スポーツアクティビティなど、多彩な授業を行っている。

今年の歴史の授業では、イギリスと日本の歴史を踏まえて、近代日本に女性天皇がなぜいないのかを考え、発表する取り組みを行った。社会的な問題をテーマに、ローカルなテーマをグローバルな視点で考えていく授業になったという。

SSSは学外からも高い評価を受けている。中国などの外国の学校から参加したいとの要望もある。そこで、来春からは他国の生徒を交えたプログラムの開催も検討しているという。

多彩な国際プログラムにより将来の選択肢を広げる

SSSの体験を経て、他のプログラムにチャレンジする生徒も増えている。

オーストラリア・ロックハンプトングラマースクールで約2週間半、学校の寮に滞在しながら学ぶプログラムは、中3と高1の希望者が対象だ。日本の学校として初めて受け入れられ、昨年からスタートした。

このプログラムでは、理数系に特化して学ぶSTEM教育や、最先端のプログラミング教育、会計やビジネスの授業、課外体験授業など、現地の学校生活を丸ごと体験できる。根本和明教諭がこう話す。

「現地の授業はすべて英語ですが、バディとなる現地校の生徒や教員がきめ細かくサポートしてくれます。また、日本ではできないような理数系教育の施設・設備が整っており、ドローンや3Dプリンターを使った授業など、興味深い授業も豊富です。今後は、理数系教育に特化したプログラムに変えていくことも検討しています」

この他、高1の3学期にカナダ、イギリスやオーストラリアの現地校で学ぶターム留学や、マレーシアでのサマースクールなど、さまざまな国際プログラムがある。

SSSの開始以来、中2〜高2のうち、毎年100人以上の生徒がこういった国際プログラムに参加している。海外大学を視野に入れて進路選択をする生徒も増加傾向だ。ただ、オックスフォード大学やケンブリッジ大学などのイギリスの大学に日本の高校から現役で進学するのは難しい。しかし、巣鴨はイギリスの名門校クライストカレッジ・ブレコンとフレンドシップアグリーメントを締結しているほか、他の名門校との提携も進行中だ。この制度を利用すればイギリスの大学への現役進学が可能になる。最後に、巣鴨の国際プログラムについて、国際教育部の岡田英雅部長がこう話す。

「本校には、多彩な海外体験をきっかけに、これから生きていく世界で本当に必要な力を身につけていくカリキュラムがあります。国際共通語としての英語力を磨いていくことはもちろん大切ですが、まずは異文化の存在を意識し、それを体験してほしい。その体験を経て自分の国や文化に対する客観的な視点を養うことが国際人としての第一歩になります」

SSS参加者の声

高校1年生の生徒

SSSには中2と高1の2回参加しました。中2のときは英語をあまり話せなかったので、最初は先生の問いかけにイエス、ノーと返答することしかできませんでした。時間がたつにつれて、少しずつ話せるようになり、自信が芽生えてきました。SSSをきっかけに、中3ではイートン校のサマースクールにチャレンジしました。イギリスの歴史や文化に触れる貴重な時間となりました。

今回のSSSでは、以前より積極的に先生と話す機会を持てました。最後には賞も頂きました。「自分の殻を破って、大きく成長した」生徒が選ばれる賞で、中2の頃から2年間の成長をみて、選んでくださったのだと思います。

SSSにはオックスフォード大学に通っている先輩も手伝いに来ており、イギリスでの苦労や楽しいこと、学んでいることなどを話してくれました。私も、将来はイギリスの大学に進学したいと考えています。いろんなことにチャレンジして、SSSの先生方や先輩のように、世界で活躍する人間になりたいと思います。

取材日:2019.9.19