S+i=∞ 無限大の可能性を生み出す
21世紀の学び櫻イノベーションが進行中

日本大学櫻丘高等学校

「櫻イノベーション」という学校改革プランを実践し、教育面を中心に変わりつつある日本大学櫻丘高等学校。2年前にはキャンパス整備が終了し、ハード面も万全だ。学校改革について、広報部主任の井部和正教諭に話を聞いた。


日本大学の教育理念「自主創造」をもとに、櫻丘高校では、「自ら学び、自ら考え、自ら道を開く」という目標に向かって、教育活動を実施。自ら能動的に学ぶ生徒を育成している。

現在進行中の櫻イノベーションとは、セルフイノベーション(自分自身の変革)、スクールイノベーション(ハード・ソフト面からの教育環境の変革)を総称したものだ。これからの社会で必要なグローバルマインドを育むために、「グローバル教育」「高大連携体験型教育」「アクティブラーニング×ICT教育」「クリティカルシンキング」を4つの柱として、改革を行っている。

なかでも、特に力を入れているのは、グローバル教育だ。留学制度として、ニュージーランド中期(3カ月)・長期(1年間)留学を用意している。いきなり中期・長期の留学は不安だという生徒のためには、2週間のイギリス語学研修を設けており、段階的に、自分に合ったプログラムを選択することが可能だ。井部教諭がこう話す。

「もともとグローバル教育に力を入れていましたが、今後は、留学制度をより推進していきます。留学を経験した生徒のほとんどが、『自分の将来が明確になった』と話しており、多くのものを身につけ、成長しています。帰国後は、ネイティブ教員が常駐する学内のサクラカフェに積極的に通って英語力を維持、発展させ、自ら学ぶ意欲がより高まっています」

サクラカフェとは、ネイティブ教員と自由に英会話を楽しめるスペースだ。ゲームなどを使って楽しみながら、英会話力をアップさせることができる。

学校での英語教育にも力を入れている。4人のネイティブ教員が常駐しており、英会話の授業は40人を3分割して少人数で実施。一人ひとりがネイティブ教員とコミュニケーションをとることができる。

ICT化については、全教室に電子黒板を設置し、校舎全体のWi-Fiの整備が完了している。iPadを生徒が一人1台持ち、アクティブラーニングに活用している。生徒の意見を教室内で共有し、今までできなかったリアルタイムでの双方向授業を実現している。井部教諭が、こう説明する。

「ICTによる授業では、話すことが苦手な生徒でも、文字で自分の考えを伝えられるので、今まで知らなかった生徒の一面を見ることができます。また、授業でやっていることから派生して自分の知識を交えて発信する生徒もいたりして、驚かされます」

また、ICTは、新型コロナウイルス感染拡大による休校期間中にも、大いに力を発揮した。

「数年前からICTを活用した授業のノウハウが整っていたため、休校期間中もオンライン授業を行い、通常と大差ない授業ができました。学習支援ツールを使いながら、生徒との双方向授業が展開できた上に、分からないところを見返したりできるのがオンライン授業の良さと、生徒からも好評でした」(井部教諭)

「高大連携体験型教育」については、いち早く取り入れてきた。隣接する日本大学文理学部の他、法学部・経済学部で、大学生と一緒に講義を受けることができる。高校在学中に受けた授業については、入学後、卒業単位に加算される。大学の学びの先取り学習で、付属校ならではの特権だ。

「クリティカルシンキング」は、自ら課題を設定して物事を多用な観点から考察する力のことで、グローバル社会で生きるために不可欠な力だ。国語科で週に一度、専用のテキストを用いた授業を行い、答えが一つに定まらない課題に対して自分なりの答えを見出す力を養っている。

お互い高め合い躍進する特別進学(S)クラス

2017年度より、国公立大学・最難関私立大学合格を目指す特別進学(S)クラスを新設し、総合進学(G)クラスとの2コース制となった。Sクラスでは、少人数制によるハイレベルな授業を展開している。授業以外にも予備校講師を招いた講習や長期休暇中の講習などを行い、学力アップを目指す。さらに昨年からは、「リアルドラゴン桜プロジェクト」が始動。月1回、現役の東大生から話を聞き、勉強へのモチベーションを上げている。このような丁寧な指導に加え、生徒同士が切磋琢磨して高みを目指した結果、今春の進学実績は前年度を大幅に上回る結果を残した。意欲が高い生徒が多く、なかには、運動部の活動を続けながら、上智大学に合格した生徒もいた。

一方、Gクラスは、行事や部活動など課外活動にも力を入れ、文武両道を目指す生徒に向いているクラスだ。日本大学への進学指導が中心だが、途中でほかの進路を希望した場合でも丁寧に指導し、特別講習などのサポートを行う。

施設・設備面では、2年前にキャンパス整備が完了。体育館、室内温水プール、トレーニングルーム、屋内運動場などが整った。さらに、文理学部の400mグラウンドや、大学の図書館、カフェテリアなどを利用できる。他校にはない高校生活を過ごすことができる。

最後に、井部教諭が受験生にメッセージを送る。

「不安を感じる生徒が一人もいないような教育を行っています。英語、部活動など、それぞれが力を入れたいこと、進みたい道を尊重して支えます。やりたいことがまだ見つかっていなくても、日本大学の学部学科のスケールメリットで、将来の目標が見つけられます。規模が大きいながらもアットホームな学校です。どんなことでもサポートする体制が整っていますので、安心して入学してください」

取材日:2020.6.24