AIの能力とマンパワーの長所を生かし
生徒の学ぶ力を伸ばす学習システム「システムZ」、2020年秋始動

東京都市大学 等々力中学校・高等学校

noblesse obligeの精神の下、グローバルリーダーを育成する最先端の取り組み

効率的な学習システムの導入や生徒の自学自習をうながす時間管理の徹底など、独自の取り組みで生徒の学ぶ力を伸ばしてきた東京都市大学等々力中学校高等学校。この秋からは、AIを活用した「システムZ(ゼータ)」を導入した。新たな学習システムの内容や狙いについて、システムづくりの中心となった飯田公彦教諭に話を聞いた。


都市大等々力では、これまで「システム4A(フォーエー)」という学習システムが、時間管理ツールの「TQノート」と組み合わせる形で実施されていた。「システム4A」とは、「学力向上」、「到達度テスト」、「分析」、「適正課題」の4つのパートを繰り返すことで、授業で学んだことを確実に理解するためのシステムだ。

今回の「システムZ」は、その進化版として位置付けられている。AIを活用した記憶定着アプリによる生徒の自学自習と、コーチングスタッフによる補習などの学習支援が一体化したしくみだ。

具体的には、まず生徒が「記憶定着アプリ」に英語検定の目標取得級を登録すると、その目標に合わせた学習計画が自動生成される。そして、各自の計画に沿って毎日問題が配信される。生徒が問題を解くと、AIが即時にその解答の正誤などを分析し、生徒がその問題を完全にマスターするために必要なステップを判断。生徒の理解に合わせて、配信する問題のレベルや内容を調整していく。

配信される課題が達成できなかったり、学習計画の進捗に遅れがでたりした生徒には、週1回、学習支援のコーチングが行われる。コーチングでは、専門の学習コーチが、いつ記憶定着アプリに取りくむか、どのように学習をすすめるべきかをコーチングしていく。

このシステムのメリットについて、飯田教諭はこう語る。

「まず、『記憶定着アプリ』を使うことによって、生徒一人一人の到達目標と理解度に合わせた課題提供が可能になりました。これによって生徒一人ひとりがより効率的に学習できます。また、生徒の理解度が可視化されることによって、教員は生徒ごとの英検級に対する定着度が把握できるようになりました。理解が十分でない生徒のフォローなどに役立つと思います。一方、コーチングは、専門の『学習コーチ』が行います。勉強への取り組み方や苦手克服方法など、生徒に近い立場だからこそできるアドバイスもたくさんあります。生徒にもよい刺激になるでしょう」

学習アプリの活用で毎日の学習習慣が定着

さらにもう一つ、飯田教諭が期待する「システムZ」の特徴がある。それは、「毎日継続的に学習する習慣を身につける」という点だ。

配信される問題は15分から30分程度で解けるボリュームになっていて、平日は毎朝授業の前に生徒全員が一斉に取り組んでいる。しかし、課題は土日や休校期間にも毎日配信され、配信された問題はその日に解かなければクリアできないため、自宅でも毎日必ず問題に取り組む必要がある。

「冒頭に説明されているように、本校では、これまで生徒の時間管理能力の育成に力を入れてきました。ここにAIの能力とマンパワーの長所を生かし、生徒の学ぶ力を伸ばす学習システム『システムZ』が導入されることで、どのくらい学力が向上するか楽しみです」と、飯田教諭は期待を込めて語る。

現在は、大学入試改革に備えた英検取得を目標として、英語のみで「システムZ」を活用しているが、来年度からは、今年度の運用で得た知見をもとに、他教科にも範囲を広げていく予定だ。

生徒や保護者の信頼が先進的な取り組みを支える

同校では、国際的に活躍できる人材育成を目指す教育システム「Global Leaders Program(GLプログラム)」を掲げ、実験重視の理数教育「SST」や、文章を読み解く力とプレゼンテーション力を身につける「システムLip」など、時代の変化に応じた独自の取り組みの数々を、「システムZ」に先んじてスタートさせている。

こうした先駆的な教育姿勢について、飯田教諭は「生徒や保護者の信頼があってこそ成り立つ」と語る。

「本校は東横学園を前身とし、2010年に新たに誕生した比較的新しい学校です。創立時から積極的に教育改革を進めた結果、志願者は年々増え、本校に入学を希望する生徒や保護者の方は、TQノートをはじめとする独自の取り組みをあらかじめ理解し、期待して本校を選んでくださるようになりました。信頼を裏切ることなく、これからも、より高みを目指して、進んでいきたいですね」

TQ(Time Quest)ノートとは?

自学自習を確立するための時間管理用ノート。入学時に生徒全員に配布され、卒業までの間、毎日の学習計画や達成度などを書き込んでいく。TQノートによって、基本的な学習習慣を身につけるとともに、目標に合わせた計画を立て、実現に向けて努力する姿勢を養う。

取材日:2020.9.2