日本とカナダの高校卒業資格をダブルで取得。
英語「で」学んで二文化教育を行うダブルディプロマコース

文化学園大学杉並中学・高等学校

あらゆることに挑戦できる環境を整え、一人ひとりの才能を開花させる

日本初のダブルディプロマコースの開設をはじめ、多様な学びを展開している文化学園大学杉並。その特色ある教育について、入試広報部長の西田真志先生とSTEAMプロジェクトリーダーの染谷昌亮先生に話を聞いた。


「感動」を重視する文化学園大学杉並には、多くの感動体験を通して自らの価値観を磨いていく環境がある。同校の特色について、入試広報部長の西田真志先生がこう説明する。

「本校には一所懸命に部活動に励む生徒もいますし、併設の文化学園大学がファッション系の大学ということもあり、被服に興味がある生徒もいる。ダブルディプロマ(DD)コースで英語力を伸ばしたい生徒もいる。本校のキャッチフレーズ『燃えよ、価値あるものに』をいろんな形で実現できる仕組みがあります」

文化学園大学杉並の特色の一つ、DDコースは同校の卒業資格とともにカナダ・ブリティッシュコロンビア(BC)州の卒業資格が取得できるコースだ。二つの教育カリキュラムを同時に学ぶため、授業時間数は特進・進学コースの1.5倍だ。BC州の教員免許を持つ教員が授業を行っており、理数科目も英語で学ぶ。

「カリキュラムはグループワークやディスカッション、プレゼンテーションなど、生徒が主体的に学ぶ課題解決型の授業が中心です。また、異なる文化のカリキュラムを組み合わせながら学ぶことで複眼的・多面的な思考力も鍛えられます」(西田先生)

日本とカナダの両方の高校卒業資格を得ることで、大学受験のチャンスも広がる。海外大学を目指しやすい上に、国内の大学についても海外生向けの入試を受けられる。もちろん、国内生として、高い英語力を武器に国内の難関大にもチャレンジできる。

これまで、DDコースから84人の卒業生を輩出。海外大学に23人、早慶上理ICU・国公立大に25人、GMARCH以上の大学に29人が合格している。なかでも、カナダで最難関のブリティッシュコロンビア大学には毎年合格者を出している。

個々に合わせた英語教育で、着実に伸ばしていく体制が整う

DDコースの開設以降、中学から入学する生徒の英語力も上がってきたという。入学者の半数近くが英検の級を保持しており、帰国生は全体の4分の1になった。そういう生徒がいる一方で、英語が初心者の生徒もいる。生徒の英語力が多様化しているのだ。

そこで、中学では「個」のレベルにあった英語教育を実践している。中1はコース分けをせず均質クラスになるものの、英語については入学段階で英検2級以上の生徒を対象にアドバンストクラスを設置。このクラスは高校のDDコースを視野に入れた学びが特徴だ。BC州の教員が英語の授業を担当している。

来年からアドバンストクラスをDD7とアドバンスト7の2つに分ける。新たに設置されるDD7では理数科目もすべてBC州のカリキュラムで学べるようになる。

一方、英検2級に届かない生徒から英語の初心者まで、幅広い英語力を持つ生徒が対象のStarter7クラスでは、レベル別の授業を展開。自分の英語力に合った授業が受けられる。

中2からはDD準備コースと中高一貫コースに分かれる。DD準備コースは、BC州のカリキュラムに沿ったコースだ。中高一貫コースでは、週8時間のうち6時間をネイティブ教員が担当。確実に英語力を定着させ、主要5教科を中心に幅広く学ぶ。

「個」に合わせた英語教育により、中2終了時点で多くの生徒が英検3級を取得している。入学時点で英語が初心者でも、2年間で準2級を取得する生徒も10名以上いる。西田先生が言う。

「同じ教室で英語の上級者が交流しているのを間近にみて、刺激を受けて英語力を磨き、DDコースに入れる実力を身につけた生徒もいます。また、英語教育の成果は他教科にも広がっています。国語や数学についても積極的に学ぶ生徒が増え、模試の成績も上がっています」

まだ世の中にない、価値あるものを生み出すプロジェクトが始動

文化学園大学杉並では、文化学園大学の付属校としての強みを生かし、STEM(Science Technology Engineering Mathematics)教育にArt(芸術)分野を融合させたSTEAM教育を実践。教科の枠を超えた様々な課題解決学習に取り組んでいる。

昨年夏から、課外活動でのSTEAMプロジェクトがスタート。「まだ世の中にない価値あるものを創り出す」をコンセプトに、130人が活動している。普段から課題解決型学習を進めているDDコースの生徒も数多く所属している。STEAMプロジェクトについて、プロジェクトリーダーの染谷昌亮先生がこう話す。

「通常の授業では、教員が学びの幅を規定してしまいがちですが、STEAMプロジェクトでは、あくまで主役は130人の生徒たち。教員が主導することはほとんどありません。STEAMの5つの学問領域にとらわれず、生徒自身が持つ好奇心や能力を原動力として探究活動を進め、実際にものづくりや仕組みづくりといった創造活動まで行うのが、このプロジェクトの特徴です」

STEAMプロジェクトは4つの部門に分けられる。ひとつは、実際にものや仕組みを作る「メイカー部門」。この部門に属している中学生対象のSTEAM Play倶楽部では、ロボティクス講座として週2回、プログラミングを学ぶ。レーザーカッターや3Dプリンタ−を使ったものづくりも楽しめる、人気のクラブだ。

このほか、SDGsに関する探究学習を行う「社会課題探究部門」。企業を訪問したり、起業家を招いたワークショップを行う「キャリア探究部門」。自分たちの活動について、SNSなどで発信する「広報活動記録部門」がある。

STEAMプロジェクトでは社会とのつながりも重視している。「社会課題探究部門」には、企業や大学、NPO法人と連携したプログラムが多い。使い捨てカイロを回収して中身をキューブ状にし、池の水質改善に使用する取り組みや、マイボトルに飲み物を注げるサーバー型自動販売機の提案。持続可能な農業の形として注目されている有機農業に関する取り組み。環境や社会に配慮している企業を重視したESG投資についての勉強会。古民家のリノベーションなど、現在10件の連携プログラムが進行している。染谷先生が言う。

「生徒が主体的に活動しているからこそ、立ち上げから1年弱で10個もの連携プログラムができたのだと思います。社会も急激に変化しており、何をやりたいのか、どう生きたいのかを自ら考え、そのために自分の人生をデザインしていく時代になりました。こういう時代だからこそ、本校でやりたいことを見つけて能力を磨いてほしい。STEAMプロジェクトを通して、そんな生徒が増えている手ごたえがあります」

取材日:2021.7.16