高校のダブルディプロマコースは、日本とカナダの2つの卒業資格を取得できる、日本初のコースだ。2019年度からは中学にダブルディプロマ準備コースを新設。さらに、今年から中高ともに共学校として新たなスタートを切った。ダブルディプロマコースの教育内容について、松谷茂校長に話を聞いた。

―ダブルディプロマ(以下、DD)コースの概要をお教えください。

松谷

2015年に高校に新設したコースです。文化学園大杉並高校と、カナダ・ブリティッシュコロンビア(以下、BC)州教育省の「Bunka Suginami Canadian International School(BCS)」の両方の学校に在籍し、日本のカリキュラムと同時進行で、BC州教員によるカナダで行われているものと全く同じ授業を受けることができます。卒業時には、日本とカナダ、両方のディプロマ(卒業資格)が得られ、世界中の大学へ進学することができます。英語の能力を伸ばすだけでなく、英語力を基に、困難に立ち向かえる力を育成します。「まだないレールを自分で作って、そのレールを進むことを楽しめる人」となることを、目標の一つとしています。

来年度から、中学に「ダブルディプロマ準備コース」を新設。希望者は2年次から選択できます。英語の授業は、週10時間のうち8時間をカナダの教員が英語で行います。また、理科や数学を英語で学びます。このコースのメリットは、欧米型の授業が受けられ、2年間で高校のDDコースへ進むかどうかの“お試し”ができるところです。どうしても合わなければ、高校進学時に他コースへ移ることができます。

―DDコースの学びはどのように進められますか。

松谷

日本の授業は日本語でしっかり行った上で、カナダの授業はすべて「英語で学ぶ」ことにより、高い英語力を養います。高1の夏休みには、BC州にて5週間の短期留学を行います。ホームステイをしながら、カナダの歴史・文化を学ぶ「ソーシャルスタディーズ10」という社会科の単位を取得します。留学を終えた生徒たちは自信がつき、帰国後は、より積極的に勉強に取り組む傾向が見られます。長期留学に比べると5週間は短いという印象があるかもしれませんが、帰国後も国内留学が続くので、英語力をさらに向上させることができます。

国内でのカナダの教員による授業は、生徒同士のグループワーク、ディスカッション、プレゼンテーションなど、能動的な欧米型授業です。この授業の成果は、国内外の大学に進学した際にも生かされます。英語中心の授業に他の学生が戸惑っている中、本校卒業生は難なく付いていけているそうです。

―進路指導、進学状況についてお教えください。

松谷

DDコースには週1時間、キャリアエデュケーションという進路指導の授業があります。海外大学の受験事情に精通したカナダ人教員の主導のもと、一人ひとり個別に指導します。どこでもいいから海外大学へというのではなく、各国の大学の学費や、必要なことを調べ、卒業後の就職についても視野に入れながら慎重に考えます。国内の大学へ進学してから、海外大学の大学院を目指す生徒もいます。海外難関大学をはじめ、国内難関大学進学にも適しています。

今春卒業した1期生13名は、前例がなく不安な中で、好実績を残しました。海外ではカナダ、オランダ、チェコ(医学部)の大学やカレッジへ進学しました。早稲田大・国際教養学部に合格した3人のうち2人は、海外生の枠で合格。もう1人は日本の生徒としてAO入試で合格しました。国内の難関大学でも、カナダのディプロマを使えるところがあり、小論文やディスカッションの力を生かせるところがメリットです。

他のコースも健闘しました。DDコース1期生と同期の進学コース、特進コースの生徒も、DDコースから刺激を受け、一生懸命勉強したようです。結果、この年の英検取得率は、過去最高となりました。また、大学合格実績も大幅に伸び、GMARCH以上の合格者数は前年より200%に増加しました。

―受験生にメッセージをお願いします。

松谷

中学入試では、英語特別入試を実施しています。スペルの正確さなどは問わず、英語でコミュニケーションをとれるかどうかを見ます。また、19年度は算数特別入試を新設し、ユニークな出題を予定しています。どちらも難問は出題しませんので、英語が好きな人、数学が好きな人はぜひ挑戦してください。

DDコースは学校全体に良い影響を与えています。試験の難度、募集の男女比ともに前年と変わりませんので、グローバルな意識を持ち、英語が好きな人に受験して欲しいと思います。また、最初は勉強が得意ではない生徒も、しっかり面倒を見て、伸ばしてきた実績があります。安心してお任せください。


現場の先生から一言コメント

入試広報部長 齋藤 圭介

ダブルディプロマコースも魅力的ですが、特進コースも昨年度は大躍進しました。私は年間で10カ国ほど訪問しています。グローバルというものを肌で感じています。英語の力より会話のツールとしてのEnglishの力の方が大切です。その力が伸ばせる学校の一つが文大杉並です。

取材日 2018.8.29
文化学園大学杉並中学・高等学校HP
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