日本大学高等学校は昨年、スーパーグローバル(SG)クラスを開設。多くの体験型授業や課題研究への取り組みを通してグローバルな視野を養い、社会に貢献できる人材を育成している。2年目を迎えたスーパーグローバルクラスについて、グローバル・センター委員長の松𥔎祐介教諭に話を聞いた。

スーパーグローバル(SG)クラスには、グローバルマインドを養い、国際舞台でリーダーとして活躍できる人材を育てるカリキュラムがある。3年間の多彩な取り組みによって、海外大学をはじめ、日本大学を含む国公立・難関私立大学の国際系分野への進学を実現していく。海外大学に進学する場合、専門分野について英語で学べるような高い語学力が求められる。語学力を身につけるため、日常的に英語を使う環境を整え、4技能を総合的に訓練するなど、徹底した指導を行っている。

SGクラスでは、総合進学クラスと同じ正課の授業時数のほかに3時間の課外授業を設けている。その中で、ネイティブ教員による英語での授業を実施。1年次は、オンライン英会話でスピーキングとプレゼンテーションスキルを磨くとともに、ネイティブ教員の指導の下、オリジナルの英字新聞制作も行う。2年次にはサイエンスを英語で学ぶイマージョン教育を行っている。この他、第二外国語として必修の中国語、文化理解講座もある。SGクラスの松𥔎祐介教諭がこう話す。

「英字新聞の制作では、記事にするテーマを自分で見つけ、仮説を立て、必要に応じて取材を行い、原稿を書きます。そうした一連の作業は問題解決能力の育成にもつながります。また、中国語の学習を通して、言語の多様性は文化の多様性であり、ひいては生物多様性と軌を一にすることに気づいてもらい、さらなるグローバルな探究へと興味を広げてほしいと思います」

一方、授業で培った語学力を実践の場で生かしていく体験型の活動も数多く用意されている。「スケールの大きな学び」を狙いとした海外研修もその一つだ。

海外研修のファーストステップとなる高1のハワイ研修は、現地の高校生との交流や大学訪問、ケアハウスでのボランティア、ビーチクリーニング、ヨガ、サーフィンなど、2週間に及ぶ多彩な体験ができる機会だ。また、高2の3週間のニュージーランド研修では、現地の高校生とバディを組み、実際に現地校に通って、英語力を磨いていく。二つの海外研修に向けた事前学習では、先住民の言語や文化などについて調査を進め、その成果を発表する。海外研修への意欲を高めるだけでなく、世界の多様性に気づくきっかけにもなっているという。この他、カナダ・ビクトリアへの1年間の留学制度もある。取得単位が認定されるので、留学をしても3年間での卒業が可能だ。

また、夏には学内で各国代表の高校生を招いた異文化交流プログラムを開催。クラス全員が参加して、ホスピタリティやボランティアスピリットを養っている。ディベートをしたり、日本文化を紹介するなど、積極的に交流しながら各国について知る機会になっている。

「SGクラスではハワイとニュージーランドへの必修のプログラムをはじめ、多くの人とふれあう機会を豊富に用意しています。ICT技術の進歩により、インターネットやスカイプ、eラーニングなどを活用して自宅で英語力を高めていくことも可能になりましたが、人と人がふれあうことは、それ以上の効果があります。人との交流によって化学変化が起こるように、一歩上の段階に成長することができるのです。また、最近は長期留学を希望する生徒も増加傾向です。帰国した生徒たちの成長を目の当たりにし、勉強への意欲を高める生徒も目立ちます」(松𥔎教諭)

一方、語学力・コミュニケーション能力とともに、論理的思考力や幅広い教養を養う体験学習も多い。

企業とのコラボレーションによる体験学習では、自分で課題を発見し、研究を進め、発表する力を磨いている。リクルートでの1日インターンシップや、NZ航空や東京ガスとの課題解決型学習などの取り組みを行っている。

この他、大学と連携した取り組みもある。高2では日本大学経済学部国際コースを訪問。大学での学びに触れることで、将来目指す方向性を定めていく。今後、理化学研究所で一流の研究に触れるプログラムも検討しているという。

一方、中学には3年前、グローバルリーダーズコースが誕生した。グローバルリーダーズクラスには多彩な海外プログラムがある。その体験を経て、さらに成長したい生徒にとって、SGクラスは絶好の環境になる。

進学指導についても、生徒一人ひとりの希望に沿って、きめ細かく対応している。海外大学を目指す生徒には、高2の終わりまでに英検準1級を取得させた上で、高3の1年間でTOEFLやIELTSの対策をとるという。海外協定大学推薦制度(UPAA)を利用することで、20の協定大学への進学も可能だ。最後に、松𥔎教諭が受験生に向けてこうメッセージを送る。

「本校には帰国生など、いろいろな背景を持つ生徒が大勢います。入学後、多彩な経験を生かすことができますし、一般の生徒もそうした生徒から刺激を受けながら学べる環境があります。SGクラス内をインターナショナル化するという目標に向けて、今後、教育内容をさらに充実させていく予定です。海外の大学を視野に入れた学びがありますから、ぜひ挑戦する姿勢をもって、本校に入学してもらいたいと思います」

取材日 2018.9.6
日本大学高等学校・中学校HP
back