巣鴨サマースクール(SSS)は、英語でのコミュニケーションの楽しさや意義を実感する場として、中学2・3年生向けに導入されたプログラムだ。その狙いについて、国際教育部部長の岡田英雅教諭がこう話す。

「英語を勉強していても、教室内ではそれが本当に役に立つのか、なかなか実感しにくいところがあります。ですから、なるべく早い段階で英語を使った取り組みを行い、英語学習の動機付けにしてもらいたいと思いました」

SSSには、オックスフォードやケンブリッジを卒業し、現在は政務官や外交官などに勤める6人の講師を招聘した。その内の一人、オリー先生はイートン校の出身で、同校のサマースクールのダイレクターを複数回務めた人物でもある。岡田教諭が言う。

「SSSのプログラムを通して、英語が世界中の人とつながる、自分の可能性を広げてくれる道具だということに気づいてほしいと思いました。中でも重視したのが、講師の人選です。お願いした講師は皆、一流の人格・教養を備えたイギリスのエリート中のエリートで、この人とつながりたいという生徒の情熱に火をつけることが最大の目的でした」

事前学習では、現地で行う日本文化に関するプレゼンに向けて生徒達はパワーポイントや英語の原稿を準備した。

SSSでは、午前と午後に4コマ、各教員が得意分野を生かして英語で授業を行った。イギリスの歴史や、日本とイギリスの政治や文化の違いを学ぶ授業のほか、ゲームや歌を楽しむアクティビティなど、バラエティに富んだ内容だ。授業について、ある生徒が言う。

「授業はどれも楽しかったです。イギリスと日本の文化の違いを学ぶ授業では、イギリスに行く際に知っておくべきことを学べました。また、紅茶を学ぶ授業では美味しい紅茶やスコーンを食べながら学びましたが、思ったより親しみやすい文化だと感じました」

ドラマの授業やアートのアクティビティでは、映画『スクール・オブ・ロック』の台本を講師自ら生徒の英語レベルに合わせて書きおろし、最終日に劇を行った。放課後のスポーツでは、タッチラグビーとクリケットを体験した。また、ある生徒がこう話す。

「学校の授業で自分の意見を尋ねられたときは、正しい英語で答えようとしていましたが、SSSでは日常の会話が大切だったので、英文法が多少間違っていても自分が思ったことを素直に英語で表現することを心がけました」

第一回目の今年は、定員40名に対し2倍以上の応募があった。SSSを第一歩として、来年以降イートン校へのサマースクールに参加したいという意欲を見せる生徒も多い。最後に、岡田先生がこう話す。

「教える仕事は、子どもたちの人生に違いを生むことができる数少ない仕事の一つです。これから、時代はさらに変化していくと思います。だからこそ、生徒にとって木の幹となるような力を育むために、教育の本質的な部分を我々は絶えず追求していかなければならないと考えています。SSSでは、コミュニケーション能力や他者への配慮など、学校で学ばなければならない根本的な部分を養います。それは、巣鴨が創立以来追究し続けていることですから、これからも妥協せずに教育に取り組んでいきたいと思います」

中1から英語の授業を受けていますが、習っている英語が本当に通じるのか、試してみたいと思っていました。中3のスカイプの英会話でも外国の人と話すことはできますが、SSSなら直接外国の人と英語で話せますし、イートン校のサマースクールへの良いステップになると思って、参加しました。授業や放課後のアクティビティは全て英語だったので、最初は先生たちの英語が聞き取れず、話しかけるのも緊張していましたが、発言するうちに徐々に慣れてきました。全く知らない外国人の先生とコミュニケーションをとるのは新鮮でした。自分が話したことが相手に伝わったり、相手の話をはっきり聞き取れたりしたときは、嬉しかったです。また、英語をツールとしてイギリスの文化や政治などを学べたことも勉強になりました。国際的に活躍されている講師の方々と交流できたのも良かったです。SSSで痛感したのが、語彙力が足りない点と、英語のスピードに慣れていない点です。今回のSSSで、英語ができると楽しいことが分かりました。もっとしっかり英語を勉強して、来年以降イートン校のサマースクールにも挑戦したいと考えています。
取材日 2017.9.7
巣鴨中学校・高等学校HP
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