2010年の共学化以降、大きな改革を進めている東京都市大等々力中高。中学入試では志願者が3000人を超える人気校だ。大学進学実績も飛躍的に伸びている。入試管理部部長の二瓶克文教頭に、教育の特色について話を聞いた。

―共学化して今年で9年目を迎えています。大学進学実績が飛躍的に伸びていますね。

二瓶

 本校は2009年の校名変更、2010年の共学化など、大規模な学校改革を進めてきました。共学化後、第1期生が卒業したのが3年前です。今年卒業した第3期生は176名で、200名に満たない少人数でしたが、大学入試において過去最高の実績を達成しました。国公立大に43名、早慶上理に94名、GMARCHに180名が合格するなど、国公立・早慶上理・GMARCHの合格者数はすべて右肩上がりで伸びています。

―どのような教育が実績に結びついているのでしょうか。

二瓶

本校では、自学自習の習慣を徹底して身につけるよう、きめ細かく指導しています。それには時間管理(TQ)能力を育成することが第一です。その力を育てるために、中1から高3まで全生徒が「TQノート」を活用しています。1週間の予習・復習の計画や部活動の予定などをTQノートに書き込み、達成するための計画を立てた上で学校生活を送ることで、主体的に学ぶ姿勢を養っています。ノートは担任が随時チェックし、コメントやアドバイスを入れて返却します。保護者にもみてもらっています。本人と学校、家庭で学習計画を共有するようになったことで、生徒の学習に向かう姿勢が大きく変わりました。また、ノートの巻末には世界地図を載せています。学習時間をマイルに換算して世界一周を目指すことで、ゲーム感覚でTQ能力を伸ばしています。

TQ(time quest)ノート

さらに、月曜~金曜には毎朝15分間のテストを実施し、前の週に学んだ各教科の理解度をチェックします。テストは本校の学習・進路指導の中心となるアナライズセンターで採点・分析し、合格点に満たない場合は合格するまで補習や追試を繰り返します。

アナライズセンターの横にある自習室は、中1~高2は夜8時まで、高3は夜9時まで利用できます。毎日約150名程度、試験前になると300名前後の生徒が自習室に残って勉強しています。アナライズセンターには約20名のチューターが常駐して個別の質問に対応するなど、塾に通わなくても実力を伸ばせる、学校完結型の仕組みがあります。

―アクティブラーニング(AL)の授業など、独自の教育にも定評があります。

二瓶

本校のAL授業では、東京大の教育研究所で開発されたメソッド「知識構成型ジグソー法」を取り入れています。この協働学習では、一つの課題に対し、グループになってそれぞれが異なる資料を読み、検証・考察・発表することで、協働性や多様性、問題解決力などを身につけています。授業を通して培ったプレゼン能力や自主的に活動する力を発揮できる行事も豊富です。ALの授業の質を向上させていくため、CLACルームなどのICT環境も整備しています。

CLACルーム

理科教育では、中1・2の2年間で200回近くの実験を行う「SSTプログラム(Super Science Todoroki Program)」を実践しています。予習して仮説をたて、実験・観察を進め、まとめ・考察するという、実験授業のサイクルを繰り返すことで、主体的に学び、探究していく姿勢を養っています。

昨年ユネスコスクールに認定された本校は、英語国際教育にも力を入れています。多様な音読法を活用した音読トレーニングを実践。4技能を磨く授業を行った上で、様々な行事を展開し、実践的なレベルで英語を使いこなせるように指導しています。

本校には多様な文化経験を持つ帰国生も多く、一般生と刺激し合い、高め合える環境があります。特選GLコースには、中3・高1の2年間、英語力を伸ばすことに特化したカリキュラムがあります。希望者は約1年間、オーストラリア・カナダに留学できる制度もあります。帰国後は高2から復学します。

この他、国際プログラムも充実しています。全員参加の海外研修旅行では、オックスフォード大学に訪問しているほか、希望者対象のラグビー校サマーコース(英国)では約2週間、他の国々から参加している高校生と共に行動することで、国際的な視野を養っています。医学・理系分野への興味や関心を喚起する、オーストラリアでの夏期海外語学研修など、多彩なプログラムがあります。

―今後の目標を教えてください。

二瓶

これからの大学入試では委員会活動や部活動、コンクール・コンテストなど、高校時代にどんな活動を行ったかが重視されるようになっていきます。大学入試に対応していくため、生徒の活動をデジタル化していくeポートフォリオ導入の準備を進めています。また、本校は17年度からタブレットを段階的に導入しており、19年度には全生徒が使用することになります。ALやICT教育などをさらに充実させつつ、本校の教育理念である、誇り高く高潔な人間性を陶冶する「noblesse oblige(ノブレス・オブリージュ)」を実現し、国際社会に貢献できるグローバルリーダーを育てていきたいと思います。

取材日 2018.9.5
東京都市大学 等々力中学校・高等学校HP
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