建学の精神を礎に『なりうる最高の自分を目指す』
マインドを培う本郷の進路指導

本郷中学校・高等学校

すべての経験から学ぶ姿勢を身につける本郷の教育

2022年に創立100周年を迎える本郷中高。文武両道を体現し、生徒の主体性を引き出す教育を行っている。縦のつながりを重視し、さまざまなことに挑戦できる環境が、高い進学実績に結びついている。その取り組みについて、進路指導部長の渡辺昌起教諭に話を聞いた。


中学では学力均等のクラス編成で学び、高校からは特進コースと進学コースの2コースに分かれる。特進コースは、最難関国立大学である東大、京大、一橋大、東京工業大への進学を目指すコースだ。進学コースは、早慶をはじめとする私立大学も含め、幅広く大学への進学をサポートしている。

高1では、両コースで学ぶカリキュラムに差はないが、高2になると大きく変わる。特進コースでは前述の4大学に対応したカリキュラムが組まれ、授業の中で受験に向けた対策が行われる。進学コースでは、志望校に合わせ自由に科目選択ができるなど、柔軟に対応している点が特徴だ。

社会の流れを理解し、主体的に進路を考える

進路指導としては、高校の3学年で取り組む内容や学年集会で話す内容は変えている。高2から文系と理系に分かれてるため、高1では文理選択を考えさせることが中心となる。そのために、集会ではその重要性を説き、講演会を実施する。本郷の建学の精神である「国家有為の人材の育成」の観点から、「社会が求めている人材とは」という話と併せ、社会の変化そのものが現在の高大接続改革や大学入試の変化につながっていることを理解させている。その点について、渡辺昌起教諭はこう話す。

「高1に話す内容が、一番勉強から離れているかもしれまん。しかし、社会の変化が大学入試に影響していることは事実です。生徒がその点を理解し、ネガティブに捉えないように、伝えているつもりです。そのように伝えることで、少し先を考えてくれることを期待しています。また、オープンキャンパスに参加するよう指導をしています。卒業生のアンケートを集計した結果、進路決定に影響を与えた事柄として、オープンキャンパスへの参加を挙げる意見が多数でした。今年はコロナ禍で参加が難しい状況ですが、自ら見聞きし集めた情報を元に進路選択ができるようアドバイスをしています」

高2では受験に対する心構えを早めに作るよう、集会で話をしている。多くの生徒が運動部に所属し、夏には高3が引退し、高2が部活や行事の中心となる。「文武両道」をやり、その中でも日々の学習がおろそかにならない様、指導をしている。

高3では、卒業生のデータを見せながら、どの時期にどれぐらいの学力を身につけることが望ましいのか等の指標を示しながら話をする。また、2021年にスタートする大学入学共通テストの対策として、早い段階からその対策問題に触れる機会を設けた。最終的に、今の勉強をどのくらいまで仕上げればいいのかというイメージを考えさせながら、日々の学習に取り組ませることが目的だ。

取り組みを精査し、よりよい進路指導を追及

進路指導の取り組みは、効果と効率を基準に見直しをしている。実施を決定したものについては「何のために実施するのか」という目的を明確にしている。必要があればやり方を変え、場合によっては、中止・破棄を検討することもある。

実施内容を見直したことで、よりよい内容になった取り組みの一つが、大学教員による「出張授業」だ。15ほどの講座の中から2つを選び、2時間連続で大学の講義を受ける。以前は講義の内容が事前に分からない状態で選んでいたが、あらかじめ講義内容を提示し、それを見て生徒が選べるよう調整をした。また、生徒が志望する大学の教員の講義が多くなるように変更した。これにより、生徒が興味を持って主体的に講義を選び、当日は積極的に受講する姿が見られた。

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また、本郷では縦のつながりを大切にしている。毎年夏休みに実施している「難関大進学セミナー」がその一例だ。難関大学に通う卒業生が、在校生に勉強や学校生活のアドバイス、大学生活について等の話をする。「学校の勉強をおろそかにしない」「定期考査だけでなく小テストも一生懸命取り組む」等のアドバイスは、教員が言うよりも、すんなり耳に入るそうだ。本郷で学び、大学に合格した先輩の姿を見て、勉強だけでなく学校生活のモチベーションが上がるという。

21年度に完全中高一貫化

渡辺教諭がこう話す。「コロナ禍の状況で改めて、学校という場の価値を考えることができました。休校中は、授業動画を配信していましたが、休校明けも各教室に設置しているプロジェクターを利用した授業を行う先生方も増えました。創意工夫しながら、我々も取り組んでいます。よりよいものを目指すのは生徒だけではありません」

本郷は21年度より高校募集を停止して、完全中高一貫校となる。加えて、現在の中3が高2に上がるとき、東大受験に特化したクラスを特進コースに設置する。「今までは高校から入学する生徒がいた関係で、進路の話は高校入学後がメインでした。完全中高一貫化によって、中学生段階から進路につて考えさせる機会を設定する等、今の取り組みにも改善が必要です」(渡辺教諭)

最後に、渡辺教諭から受験生にこうメッセージを送る。

「本郷は、特別な取り組みをしている環境ではないかもしれません。しかし、様々な取り組みの中で、自分で考える事が求められます。自分で考え取り組み、失敗しながら、でも着実に成長を遂げながら中高6年間を過ごす環境が本郷にはあります。本郷での生活を通じて『なりうる最高の自分』を目指せる君に、本郷を選んでほしいと思います」

取材日:2020.8.25