世界でたくましく生きる力を身につける
国際教育プログラムTSS

巣鴨中学校・高等学校

スーパーエリートと過ごし情熱に火をつける6日間巣鴨サマースクール

国際教育に定評のある巣鴨中学校・高等学校では、多彩なプログラムを用意している、今年は、WLSA(World Leading Schools Association)の加盟校となり、世界のトップ校との交流が期待される。また、今後は東京スプリングスクール(TSS)をスタート予定。独自の国際教育プログラムについて、話を聞いた。


国際教育プログラムの中でも特徴的なのは、世界有数の名門校であるイギリスのイートン校・サマースクールへ参加できることだ。首都圏の男子校では唯一、参加が承認されている。このサマースクールに触発され、オックスフォード大への進学を果たした卒業生もいる。

より多くの生徒がイートン校・サマースクールと同じような体験を味わえるようにするため、2017年から始まったプログラムが、蓼科で実施される巣鴨サマースクール(SSS)だ。講師には、オックスフォード大やケンブリッジ大の卒業生で元英国代表水泳選手、歌手など、多彩な経歴を持つエリートを招く。専門分野を生かした独自の授業を行っている。毎年希望者が多く、抽選になるほどの人気のプログラムだ。

この他にも、高校1年次のカナダ、オーストラリア、イギリスへのターム留学など、さまざまな国際教育プログラムを実施している。

日本の学校では初WLSA(ウルサ)加盟が実現

今年、日本の学校としては初めて、WLSA(以下、ウルサ)の加盟校となった。ウルサとは、イートン校をはじめとする、世界の中等教育を牽引することが期待される学校の校長が、自分たちの学校の生徒たちを切磋琢磨させたいという願いから発足した国際ネットワーク組織だ。イートン校・ハロー校2校の校長先生から推薦書をもらい、全会一致で可決された。これまでの国際教育活動が高く評価された結果だ。加盟により、ウルサが提供するさまざまな国際教育プログラムへの参加や加盟校同士の交流が可能になった。

ウルサのメインとなるイベントは、国際大会だ。生徒と教育者の国際大会が毎年交互に開催され、活発な議論が交わされる。ウルサへの加盟を主導した国際教育部の岡田英雅部長は、こう話す。

「加盟校となる前に、ウルサの教育者世界大会に参加する機会がありました。各国の学校の校長と活発に意見交換し、世界で起きていることを知り、とても勉強になりました。生徒にも同様の体験をしてほしいと考えました。いずれは、本校の生徒が世界のトップ校の生徒たちと議論して、多くの刺激を受け、日本の代表として世界に貢献することができます。これが、加盟校としてのメリットです」

このほか、オンラインで世界の加盟校をつないでリーダーシップを学ぶプログラムや、教員同士の交換留学などが行われる。

日本での〝世界大会〟を目指す東京スプリングスクールが始動予定

さらに、新たなプログラムとして、巣鴨サマースクール(SSS)の上級版となる「東京スプリングスクール(TSS)」が誕生する。本来は今年から始動するはずだったが、コロナ禍のため中止となった。SSSは、「英語が分かると世界の面白い人とつながることができる」ということを教えるプログラムだが、TSSは、生徒のチャレンジがテーマだ。将来は、ウルサの加盟校の生徒を日本へ招へいすることを目標としている。その前段階として、日本のさまざまな学校の生徒が一堂に会し、協力し合い、国際問題をどのように解決するかを話し合う。

実際に予定していたのは、経済の専門家による授業、医師による授業などだ。たとえば、弁護士の講師による「結婚」をテーマにした授業では、ある論点について「賛成」か「反対」に分かれ、なぜそう思うかを議論させる。授業はすべて英語で進めるが、専門用語をはじめ、事前学習を入念にしなくては、議論に参加できない。岡田部長はこう話す。

「講師の先生には、褒めたとしても必ず足りない部分を指摘して、勉強せずにはいられないようにしてほしいとお願いしていました。いくら英語ができても知識がないと議論に加われない、と気づかせるためです。中学・高校のうちに、教室以外で、さまざまな考えを持つ生徒同士がぶつかり、自分の言葉で議論をする機会を作ることが目的です。中学・高校ではいくら失敗してもいいのです。できなくて悔しいという気持ちをバネに勉強して、ウルサの世界大会で活躍してほしいと思います」

今年は、コロナ禍の影響で、校外でのプログラムがすべて中止になった。そのため、校内における国際教育プログラムを検討している。現在、計画中なのは、日本の昔の偉人をテーマにしたプログラムだ。まず、海外で活躍した偉人について調べ、日本語で発表をする。改良を重ねた最終版を英語に訳す。それを、ネイティブの先生の前で発表し、ネイティブならではの質問を投げかけてもらう。今後の課題が明らかになり、勉強への意欲を掻き立てることを目指している。

「国際的に活躍した偉人について調べることで、歴史的背景を知るとともに、これから国際人として生きていくための指針になります。今後の国際教育プログラムでは、コラボレーション力、コミュニケーション能力、批判的思考力を鍛え、世界を自由に動ける『グローバルモビリティ』を獲得させていく予定です」(岡田部長)

最後に、入試広報部の大山聡部長が、受験生にこうメッセージを送る。

「巣鴨には、他にはないプログラムが、多彩にそろっています。特に国際教育の行事はすべて、本校の教員が一から作りあげて運営している、オリジナルプログラムです。さまざまな体験によって成長し、国際人として世界に羽ばたいてほしいと願っています」

取材日:2020.9.9