2022年からニュージーランドへの
ターム留学がスタート!

成城中学校・高等学校

成城中学校・成城高等学校(東京都新宿区)は、明治18年(1885年)創立の伝統ある中高一貫男子校。同校の学業や人間性教育の鍵となるのが、先輩が後輩の手本となり導き、後輩が先輩を尊敬し目標として研鑽していく、先輩と後輩の絆の伝統だ。臨海学校などの学校行事やクラブ活動を通して、相互に成長を重ねている。今回は同校のグローバル教育のひとつであり2022年にスタートしたニュージーランドへのターム留学について、昨年度一期生として参加した高校2年生の斉藤柚良君が、今年度参加予定の高校1年生の髙田康生君に貴重な経験談を語ってくれた。


―斉藤君たちの代は、ニュージーランド・ターム留学に初めて参加した一期生だそうですね。まずはどんな留学生活でしたか?

斉藤 僕が滞在したのは、ニュージーランドの首都ウェリントン郊外にあるパラパラウムという地域です。そこにあるパラパラウム・カレッジという、日本の中学2年生から大学2年生くらいまでの年代の生徒が通う学校に通っていました。成城のターム留学では参加者が通う学校はばらばらなので、日本人同士で固まることなく、ヨーロッパやアジアなどほかの国からの留学生や現地の生徒と一緒に学校生活を送りました。ホストファミリーはホストファザー、マザー、グランドマザー、13歳のブラザーと12歳のシスター、そして犬と猫2匹という家族構成で、今でも連絡を取り合うくらい仲良くなることができました。平日昼間は学校で、放課後や休日はホストファミリーと過ごしたり、キャンプなどのプログラムに参加したりして、過ごしました。海外に行くのは初めてでしたが、ホストファミリーともクラスメイトとも自分からたくさん話をするなど、なにごとも積極的に関わっていくことで、すぐに向こうの生活に慣れることができました。

髙田 僕もパラパラウムに行く予定なんです!パラパラウムはどんな街ですか?

斉藤 海が近くて、自然がいっぱいですごくいいところでした。現在、開発中の街で、駅前も少しずつひらけているので、自然豊かだけど生活しやすいなと思いました。海がすごくきれいで、家の近くの公園から海に沈む夕陽を見る時間が一番のお気に入りでした。

―お二人が今回ターム留学に参加を決めた理由を教えてください。

斉藤 僕は、中学3年生の時に学校代表として高円宮杯全日本中学校英語弁論大会に参加し、人種差別の問題とそれを乗り越えるスポーツの力についてスピーチをしました。その時に多様性を知ることの大切さを実感したため、海外留学をしたいと考えるようになりました。

髙田 僕は、英語や語学全般に興味があることと、将来は外国の人とも仕事などで関わる機会が増えると思うので、多様な価値観を学ぶためにターム留学を希望しました。家族に相談すると「ぜひ行ってくるといい」と勧められましたし、無事選考も合格したので、今から年明けの留学が楽しみです。

高校1年生|髙田 康生君

英語の勉強だけでなく日本のことも知っておくといい

―髙田君から先輩の斉藤君に、聞いてみたいことがあればお願いします。

髙田 留学中、英語でのコミュニケーションにはすぐに慣れましたか?

斉藤 僕の場合は、ホストファミリーは留学生の受け入れの経験豊富でわかりやすく話してくれたこともあり、初日からたくさん話すことができました。でも、学校の友達はすごく早口で、しかも教科書にないようなスラングめいた口語表現もたくさん使うので、最初はまったく話についていけませんでしたね。でも、少しずつ慣れていって、1ヶ月もしたら普通に話せるようになりました。

髙田 相手の言っていることが聞き取れない最初のうちはどうしていたんですか?

斉藤 わからない時は友達に「今、なんて言ったの?」、「どんな意味なの?」と聞き返していました。聞いたらちゃんと教えてくれますし、教えてもらった言葉を自分も使うことで覚えることができました。何度も聞き返して面倒がられることも少しはあったかもしれませんが、わからないままにしておくのは嫌だし、結果的に早くみんなと打ち解けられたと思います。

髙田 僕の留学の目的のひとつは外国の人たちと交流することなので、先輩のように積極的に話ができるようにがんばりたいと思います。

斉藤 ほかにも、日本のことを勉強しておくなどきちんと話せることを用意しておくこと。カレッジには『日本語』の授業を選択している生徒もいて、日本のことをたくさん聞かれました。『漢字』にはみんな興味津々で、ほかにお寿司や日本の漫画やアニメも話題にのぼりました。

髙田 僕はアニメや漫画は好きなので、外国の人と一緒に盛り上がれたら嬉しいです。日本のことも話せるように、勉強しておきたいと思います。

高校2年生|斉藤 柚良君

海外ではとにかく積極的に!物おじせずに行動することが大事

―斉藤君から後輩の髙田君に、留学に向けたアドバイスがあればお願いします。

斉藤 一番は、物おじせず、やりたいことにはなんでも自分から挑戦していってほしいということ。僕はクラブ活動もしてみたいと思い、自分で学校の窓口に問い合わせて入部届けの書類を出して、クリケット部に参加しました。クリケットは初めてでしたが、野球と少し似ているところもあって、試合にも出ることができました。

髙田 留学期間中にクラブ活動にも参加できるんですね。僕は今バスケット部に所属していてバスケットが大好なので、ニュージーランドでもプレイできたらすごく嬉しいです。自分で問い合わせたり手続きしたりするのは大変そうですが、がんばります。

斉藤 ホストファミリーとの生活でも、身の回りのことは自分でやるといいかもしれません。小さいことかもしれませんが、洗濯機の使い方やアイロンの当て方なども教えてもらってできるようになりました。日本の料理としてカレーをつくってふるまった時はすごく喜んでもらえました。

髙田 ありがとうございます。料理は得意なので、交流のきっかけにできると心強いです。僕は周囲の人にどんどん話しかけられるタイプではないのですが、自分が好きなアニメや漫画、スポーツなどを活かして、先輩のように積極的に行動できるようになりたいと思いました。この留学をいいチャンスにできるように、精一杯やってみます!

斉藤 僕も大学生になったら、もっと長期間の留学をして専門的なことを学びたいと思っています。お互いがんばりましょう!

取材日:2023.8.24