チャレンジができる環境で生徒をのびのびと育てながら、
未曽有の状況下においても柔軟に対応できる力を身につける

聖徳学園中学・高等学校

STEAM教育で新たな価値を創造する教育

早くからICT教育やSTEAM(Science Technology Engineering ArtsMathematics)教育を導入し、生徒の個性を伸ばす教育を行ってきた聖徳学園。進路指導やキャリア教育にも力を入れており、近年は大学合格実績が伸びている。2021年3月に卒業し、東京工業大学に進学した財満(ざいま)誠也さんと、数学科の後藤宏章教諭に話を聞いた。


—聖徳学園での6年間はどうでしたか。

財満 授業で自分の考えを発表する機会が多かったため、人前で話すことに少し慣れたと思います。iPadを使ってクラス内で意見を共有するなど、ICTを積極的に活用していました。学校行事や普段の生活の中で、友人たちと楽しく過ごせたことが心に残っています。

後藤 どの教科においても、授業中になるべく生徒に発表をさせるようにしています。普段の授業だけでなく、校外行事なども活用して発表の課題を設定しています。本校ではグローバル教育の一環として、中1で新潟県阿賀町へのスプリングキャンプ、中2で関西修学旅行、中3で国際研修旅行に行きますが、そうした行事に関連付けて学ぶ機会を作っています。

例えば数学では、校外に出た際に、現地で見たものや学んだものについて、数学の問題を作るという課題を出しました。作った問題はクラスで共有して互いに解き合い、さらに解答についてプレゼンテーションを行います。数学以外の教科でも教員が工夫してさまざまな取り組みを行っています。

一人ひとりに丁寧に向き合う

—生徒との信頼関係の構築について教えてください。

後藤 本校では面談の機会を多く設けています。中学では、中1と中2は2名担任制で、2人の教員が一つのホームルームを担当します。放課後に生徒1人に対して2人の担任教員が面談を行い、学校に馴染めているか、クラスで快適に過ごせているかなど、学校生活について話を聞きます。

高校では年に3〜4回、担任が面談を行っています。画一的に面談を実施するのではなく、個々の生徒の様子に合わせて、面談のタイミングや場所を設定します。主に進路についての話が中心で、将来、何をしたいのかということから聞いていきます。

財満さんは高1の段階では、まだ将来の具体的なビジョンは決まっていませんでしたが、機械やロボットに興味があると話していました。それから高2、高3と進むにつれて、徐々に将来の目標が固まってきたようです。

財満 大学について調べ、志望校を決めたのは高3になってからです。介護ロボットの開発に携わりたいと思い、大学では工学を学ぼうと考えました。きっかけは曾祖母の介護です。2人の介護士の方が曾祖母の介護を担当しているのですが、介護ロボットがあれば介護をする人がもっと楽になるのではないかと思いました。

工学を学べる大学ということで、はじめは電気通信大学を志望していましたが、先生との面談により、東京工業大学を受験することにしました。現在は東京工業大学で、介護ロボットを研究している研究室に所属するために、日々勉強に励んでいます。

—進路指導・受験対策はどのように行っていますか。

後藤 「難関国公立大進学プロジェクト」を設置して、国公立大への進学を学校全体でサポートしています。プロジェクトに所属する生徒一人ひとりに対し、大学受験のロードマップを作成します。受験する大学の入試日程や、模試を受けたときの目標点、どの教材をいつまでに終わらせるかなどといったことを確認するための計画表です。ロードマップは生徒との面談をもとに、担任教員が作成します。中学生の頃から将来の夢が決まっている人や、やりたいことがわからない人など、生徒によって状況はさまざまです。普段のやり取りや面談などを通して密に話をして、受験計画を練っていきます。完成したロードマップは、最終的に学年主任や、進路指導部長と共有します。

また、個々の生徒の学習状況を確認し、今どの教科を重点的に勉強させるべきかを各教科の教員が相談して決めています。財満さんの場合、理系科目は非常によくできていましたが、英語に対する不安があったので、勉強するように指導していました。

財満 志望校が決まってからは、勉強に集中しやすくなりました。合格するために何をする必要があるのかを自分で考えて取り組んでいき、勉強に対する姿勢も変わったと思います。

大学進学のための実力を養成する「進学セミナー」では、「漢文道場」の講座が役に立ちました。夏休み期間中の2日間で、漢文の例文を50個ほど覚える授業です。そのお陰で、大学入学共通テストの国語はかなり解けるようになりました。

—最後に、聖徳学園の魅力について教えてください。

財満 聖徳学園への入学を決めたのは、私立中の合同学校説明会に参加したことがきっかけでした。何校か学校のブースを回ったのですが、6年前にiPadを一人一台所持している学校は珍しかったですし、自分の能力を伸ばしてくれそうな学校だと感じたのを覚えています。聖徳学園は個性豊かな仲間が多く、また、切磋琢磨しながら成長することができたと思います。

後藤 本校では、生徒も教員も自由にのびのびと活動しています。チャレンジできる環境が整っていて、やってみたいことがあれば周りの人が積極的に協力してくれます。今後も一人ひとりに丁寧に向き合ってサポートしていきたいと思います。

取材日:2021.8.25