生徒の主体性を育み、
社会で活躍できる男子リーダーを育成

成城中学校・高等学校

成城の校章「三光星」は、儒教の三つの徳である「知・仁・勇」を表している。"知”については、授業や様々な体験を通じて身についた知識。"仁”は、人や物事と関わるときの誠実な姿勢。"勇”は、決断力や自分の意志を発信していく力。6年間でこの三つを養う成城中学校・高等学校の教育について、理科教員の春山秀平先生に話を聞いた。


成城中学校・高等学校は1885年の創立以来、「知・仁・勇」を備えた男子リーダーを育てる教育を実践している。その教育について、OBでもある理科教員の春山秀平先生が、生徒だった当時と現在を比べながらこう話す。

「校風や学校の雰囲気は、私が通っていた頃とあまり変わっていません。最低限の生活指導やルールをしっかり守りながら、自分のやりたいことに全力で取り組める環境があるのは当時のままです。また、古くから受け継がれている学校行事が多いことも、成城の特色だと思います」

日本で初めて行われた臨海学校は、1925年から続く伝統行事で、毎年、中1全員が参加する。安全を守るため、教員だけでなく高2の各クラブの精鋭たちも指導の補助員として参加。リーダーシップを発揮する機会になっているという。春山先生がこう続ける。

理科教員|春山 秀平 先生

「教員として勤め始めて17年になります。生徒には学校生活の中で"誠実さ”を養ってほしいと考えています。真面目に授業を受け、実験などに積極的に取り組むこと、宿題や課題の期限を守ること、教職員や学校外の人に対する礼儀や挨拶など、基本的なことをしっかり教えているのはそのためです」

次世代のリーダーを育てる多彩な取り組み

成城には、生徒の個性を生かし、伸ばしていく多彩な取り組みがある。その中で重視しているのが、生徒の主体性を養っていくことだ。

「例えば、私が担当する実験授業の中には、生徒に実験の概要を伝えるだけで、実験の仕方やプロセスを生徒自身に考えさせるものがあります。生徒に教えることはもちろん大切ですが、自分たちで考えて行動する力も養ってほしいと考えています」

文化祭や体育祭などの学校行事やクラブ活動も、主体性を養う絶好の機会だ。文化祭では、実行委員が中心になって企画を立案・運営する。

「様々な行事を取り仕切る先輩の姿を見て、後輩が、『次は自分たちが頑張ろう』と思う場面がたくさんある。それが、本校が目指すリーダーの育成にもつながっています」と春山先生。

グローバル教育にも力を入れている。学内外で様々な研修プログラムを実施。カリフォルニア大学など、世界のトップ校の学生を招いて行う「エンパワーメント・プログラム」や、様々なミッションに立ち向かいながらリーダーシップを高める「オーストラリア・グローバルリーダー研修」、台湾の大学で現地の学生と交流しながらグローバル社会に貢献する力を養う「台湾・グローバルリーダー研修」などのプログラムを実施。文化や価値観の異なる人々と英語で交流する中で、自分を表現する力を養っている。

様々なことに全力で打ち込める環境があることも成城の魅力だ。校内には、グラウンドや体育館、地下体育室、温水プール、イングリッシュ・ルーム、図書館などの施設・設備が整っている。最後に、受験生と保護者に向けて、春山先生がこうメッセージを送る。

「成城には、生徒が伸び伸びと自分らしく過ごせる環境があります。自分から主体的に行動すれば、やりたいことを満喫できる貴重な6年間になるでしょう。かけがえのない友人ができる場でもあるので、人生の宝物を見つける気持ちで、ぜひ入学してほしいと思います」

卒業生VOICE

―成城にはどんな魅力がありますか。

堀部 グローバル教育が充実しています。エンパワーメント・プログラムなどに参加して、実践的な英語のスキルを身につけることができました。通常の授業とは違った環境に身を置くことで、いろんなことを知り、人間としても成長できたと思います。

熊田 先生との距離が近いことが、成城の魅力だと思います。職員室に入りやすく、勉強や進路の相談をしやすかったです。また、部活動や様々な行事にも力を注ぎました。勉強に、クラブ活動に、メリハリのある学校生活を送れました。

早稲田大創造理工学部2年|堀部 太陽さん

―印象に残っていることはどんなことですか。

堀部 国語の小論文の授業では、小論文を書くだけでなく、選ばれた人がみんなの前で発表する機会がありました。私より上手に書けている人もいたのですが、努力した姿勢が評価されて、発表者に選ばれました。うれしかったですし、自分の良さを見つけるきっかけになりました。また、家庭科の長期休暇の課題では、一人暮らしをすることを想定して、住む場所や部屋のイメージ、置きたい家電などをすべて自分たちで考える機会がありました。経済感覚を身につけるいい機会になりました。

熊田 数学や化学の演習、体育などの授業で、レベル別に学べたのが良かったと思います。水泳があまり得意ではなかったのですが、レベルに合った指導をしてもらえました。得意な数学については、演習授業などでより難しい問題に挑戦できました。また、授業では先生が独自のプリントを用意してくれる機会が多く、教科書以外の知識も身につけられました。

青山学院大理工学部1年|熊田 柊斗さん

―成城での6年間で、どんなところが成長できましたか。

堀部 成城には、誠実さを点数として評価するシステムがあります。レポートや課題、宿題を頑張ったり、予習・復習をしっかりやる姿勢などを、点数にして評価してもらえます。この仕組みは、勉強を続けるモチベーションになり、継続していく力も養われました。また、毎朝校長先生が校門の前で挨拶してくれる姿をみて、継続して努力できる人間になりたいと自然と思うようになりました。

熊田 勉強面もそうですが、文化面でもいろんな体験をさせてもらい、視野が広がりました。視聴覚行事では年に2回、オペラや歌舞伎、落語、漫才、サーカスなど、国内外の文化的なものを鑑賞する機会がありました。自分が知らない世界を知る機会がたくさんあったことは、自分にとってすごくプラスになったと思います。

取材日:2022.8.27