目的意識を持った学びを大切にし、
将来に向けた進路選択と大学合格をバックアップ

攻玉社中学校・高等学校

目的意識を持った学びを大切にし、将来に向けた進路選択と大学合格をバックアップ

「誠意・礼譲・質実剛健」を校訓に掲げ、1863(文久3)年の創立以来、社会に貢献する高い能力を持った人材を育成してきた攻玉社中学校・高等学校。社会のグローバル化を見据えて早くから幅広い国からの帰国生を受け入れる国際学級を設置し、多様なバックグラウンドを持つ生徒たちがお互いに刺激を与え合いながら学ぶことができる環境を作り上げている。この春に同校を卒業した岩本真樹さん(一橋大学法学部1年生)と、岩本さんの代の学年主任であり世界史教諭の杉本直紀先生に、中高での思い出や大学受験のサポート体制について語り合ってもらった。


杉本 まずは岩本君が本校を受験した理由について教えてください。

岩本 僕は小学校の間、数年間タイで生活していたので、まず帰国生枠で受験できる学校を探していました。その中で攻玉社は学校説明会に参加した際にレゴ部があることを知り、レゴが大好きだった僕は「ここに入りたい!」と思って受験を決めました。両親もレゴ部の話を聞いて、「いいね」と後押ししてくれました。

杉本 帰国生が中学3年間同じクラスで過ごす、本校の「国際学級」についてはどのように思っていましたか?

岩本 僕は日本人学校に通っていたので、そこまで勉強面で大きなギャップはないと思っていましたが、帰国生だけのクラスがあるというのは、やはり安心できました。実際に入学してから、一般学級の生徒とは生活習慣や考え方の面で少しギャップがあると感じました。何より国際学級の生徒はみんなバイタリティーに溢れていたので、そういった仲間と共に過ごすことができてよかったです。

杉本 国際学級は3年間クラス替えがないので、団結力もありますよね。

岩本 そういう意味で、中学校の体育祭ではクラス一丸となって優勝を目指したことが思い出深いです。ノリもいいので、何か1勝する度に優勝したように盛り上がりました。

杉本 直紀 先生

生徒たちの興味関心を伸ばす授業づくり

岩本 中学校では、杉本先生の「歴史総合」の授業も楽しかったです。僕は授業の最初の3択クイズや自由提出課題の世界史に関係する本や映画の作品紹介がきっかけで、世界史をおもしろいと思うようになりました。

杉本 私は中3の「歴史総合」の授業では、生徒に歴史に興味関心を持ってもらうことを最優先にしているので、そう言ってもらえると大変嬉しいです。3択クイズは、私が作ったクイズを、社会科係の生徒からクラス全員に出題してもらうのですが、社会科係の生徒からも新たな選択肢やクイズの提案があるなど、生徒は非常に意欲的に取り組んでくれたと思います。高2の「世界史探究」の授業は、大学受験に向けた取り組みもしないといけないので、3択クイズをやる予定はなかったのですが、「やりたい」という生徒の声を受けて特別に継続したほどです。岩本君は作品紹介の自由課題も提出してくれましたね。

岩本 作品紹介は、もともと本が好きだったので、勉強というよりも趣味の続きのような気持ちで、気軽に取り組むことができました。

杉本 今年から始めた取り組みですが、1学期に世界史選択の高校生に声をかけ、希望者約10人と一緒に都内にあるイスラーム教のモスクを見学に行きました。生徒たちからは「イスラーム教は厳しいイメージがあったけれど、おおらかな雰囲気で驚いた」といったように、教科書などで持っていた印象が変わったという声があり、実施してよかったと思いました。2学期には御茶ノ水にある正教会の聖堂を見学予定です。生徒たちには、自分の目で見て知る経験をたくさんしてほしいですね。

岩本 僕たちの頃にもその企画をやってほしかったです(笑)。

岩本 真樹さん

生徒の意欲に教員も本気で応える

杉本 岩本君は進路選択の時点から、現在の一橋大学法学部を挙げていましたが、なぜこの進路を志望したのですか?

岩本 法学部については、小説家の中山七里さんの作品に登場する検事がかっこよかったことがきっかけで法律に興味を持ち、大学で本格的に学んでみたいと思うようになりました。一橋大学は、高2の担任の先生にオープンキャンパスの参加を勧められていくつかの大学を訪れたところ、雰囲気が一番好きだったことから決めました。

杉本 受験勉強にはどのように取り組みましたか?

岩本 僕は塾にも行っていたのですが、朝や放課後に学校で勉強することの方が多かったです。学校だと同じ大学を目指す友達がいるので、安心できる場所でありつつ適度な緊張感もあり、勉強のモチベーションが高まりました。また、世界史や英語などの論述式の問題の解答や、数学のように複数の解き方がある問題の解答の添削を先生にお願いすることができたので、学校での勉強が一番はかどりました。

杉本 生徒が頑張っている姿を見ると嬉しいので、添削も喜んで引き受けていました。熱心な生徒が多いため添削が大変なこともありましたが、私だけでなくどの先生も、快く引き受けています。やはり教員としては生徒のやる気にはそれ以上の熱意で応えたいですから。

岩本 同じ大学を受けた先輩のデータもとても役に立ちました。合格した先輩が、この時期にこのくらいの点数を取っていたとわかったので、目標が立てやすかったです。

杉本 本校は東大や一橋、早慶に進学する生徒が多いため、合格者の出願状況や成績の推移といった本校独自のデータを蓄積しています。これらを必要に応じて生徒と保護者に共有し、効率的に受験勉強が進められるようにサポートします。インターネット上に情報があふれる今だからこそ、信頼できる情報を提供することも進路指導の重要な役割です。また、卒業生に連絡をして本校の生徒が学園祭等に参加した際に、できるだけ卒業生と話ができるようにしています。卒業生が後輩のために快く協力してくれるのが、本校のよさの一つだと思います。

岩本 僕も今年から先輩側になったので、オープンキャンパスや学園祭に来てくれた後輩と会いました。少しですが後輩の力になれると嬉しいですね。

最後まで諦めずに努力を続けることが大事

杉本 最後に、本校への受験を考えている小学生へのメッセージをお願いします。

岩本 一番大切なのは諦めないことだと思います。僕は大学受験の時に一橋大学の前の私立大学の結果が思わしくなく、不安な気持ちになりました。けれど、第一志望は絶対に諦めてはいけないと思い直し、最後まで諦めることなく頑張りました。努力し続ける力は受験にとって何より大切です。僕はスマホのロック画面を一橋大学の校舎の写真にして、目にする度にモチベーションを上げるようにしました。

取材日:2025.9.6