生徒が自ら学び、人間としても成長していく
経験を重視した多彩な教育プログラム

安田学園中学校・高等学校

「自学創造」を実現するきめ細かな教育プログラムを実践

「自学創造」を教育目標とし、将来地球規模の課題解決に挑むグローバルリーダーの育成に取り組む安田学園中学校高等学校。創造的学力を形成する鍵となるのが、「学び力伸長システム」「進学力伸長システム」「キャリアデザイン」「探究」「グローバル教育・体験」「人間力教育」「クラブ・委員会活動」「体験行事」の8つのプログラムだ。さまざまな経験を通じて生徒はどのように成長していくのか。この春、同校を卒業した木下太陽さん(東京大学文科Ⅲ類1年生)と渡邉みなみさん(横浜国立大学教育学部1年生)、そして二人の中学時代に担任を務めた石井裕子先生に集まってもらい、安田学園での6年間の思い出と同校の魅力について語り合ってもらった。


石井 木下さんと渡邉さんは、私が初めて担任を持った中学1年生のクラスの生徒で、新米教員の私と一緒にさまざまな行事に積極的に取り組んでくれたことをよく覚えています。二人は、何か印象に残った学校行事などはありますか?

渡邉 私はまずは入学前にある2泊3日の宿泊オリエンテーションが思い出深いです。出発前に学校に集合した時から和気藹々として楽しく、地元の小学校から受験をして私立の中学に進み、「友達できるかな」とか「この学校でやっていけるかな」といった不安があっという間になくなりました。

木下 僕はこの宿泊オリエンテーションに「スコラ手帳」を忘れてしまい、スタートから失敗してしまったショックの意味で印象的です(笑)。

石井 スコラ手帳は日々の予定や振り返りを書き込むことで、生徒が自己管理を身につけるための本学の特徴的なアイテムですよね。木下さんの楽しかった思い出はどんなものがありますか?

木下 高2の修学旅行はとても楽しかったです。伊勢神宮やUSJに行ったこともですが、友達と一緒にホテルに泊まって、普段よりも密度の濃い話ができたことがとても印象的でした。

渡邉 修学旅行は私もとても楽しかったです。伊勢神宮がとても広くてきれいなことに感動しましたし、みんなで真剣に大学の合格祈願をしました。USJでは園内のパーティー会場で夕食をとったのですが、歌やパフォーマンスの披露があって、みんなで盛り上がったのが忘れられない特別な思い出になりました。

石井 裕子 先生

自ら「学びたい」思いを芽生えさせる授業

石井 二人とも勉強もとても頑張っていた印象ですが、きっかけになる授業などはありましたか?

木下 僕は入学して最初のテストでは順位は真ん中より下あたりでした。勉強を頑張ろうと思ったきっかけの一つは「英単語コンテスト」です。英単語なので勉強した分だけ高得点が取れて、高得点が取れると表彰されるのでモチベーションがアップしました。また中1の時の英語の先生が、「え?それ中1でやるの?」というような内容まで掘り下げて教えてくれる先生で、難しいのですがおもしろく、中1で深い内容に触れておくことで、その後の学年での勉強に役立ちました。

渡邉 私は何か特定の授業というよりは、周りが積極的に勉強をする姿勢に刺激を受けて自分でも勉強するようになりました。また、小学校まで塾でやっていたのは受け身の勉強でしたが、中学校に入ってからは、知らないことを知る楽しさや手応えを感じられるようになり、主体的に勉強をするようになったと思います。そういった意味では中1の「宿泊探究・磯」で、岩場で生き物を採取し、自分たちで仮説を立てて調査・実験をしたことはきっかけの一つかもしれません。

石井 中1の宿泊探究は東京海洋大学の学生の方にチューターを務めてもらってグループで調査・実験を進めるという貴重な経験ができますよね。生徒も普段の授業よりも熱心に取り組んでいて、私も教員として体験する学びの大切さを改めて感じました。

渡邉 みなみさん

さまざまな経験を通して生徒一人ひとりが成長する

石井 6年間を通して、二人が自身の成長を実感したできごとはありますか?

渡邉 推薦を受けて高2で文化祭の実行委員長を務めたことです。ちょうど100周年の節目の文化祭で、「失敗できない」というプレッシャーを感じて精神的に厳しく感じていた時に、ふと周囲を見ると頼りになる仲間がたくさんいて、親身になって相談に乗ってくれたり、積極的にサポートをしてくれたりしました。無事に文化祭をやり遂げられたことはもちろん、「人に頼ること」を学んだことが、私にとっての大きな成長でした。

木下 中高の5年間、テニス部で活動したことです。なんとなく運動部に入りたいという気持ちで入部したこともあり、最初の3年間は比較的のんびりとやっていたのですが、新たに就任した顧問の先生が非常に熱心で、効率的なトレーニング方法などを提案してくださったことで、高校からは一転して全力で取り組むようになりました。僕は受験もあったため、他の部員よりも少し早く高2の3学期で引退したのですが、悔いなくやり切ったからこそ、受験に切り替えることができたと思います。また、テニス部で大切な仲間とも出会うことができ、クラスとはまた別の大切な居場所になりました。

木下 太陽さん

生徒の夢を後押しする環境が整っている

石井 最後に二人の感じた本校の魅力について教えてください。

木下 勉強をやりたい人をバックアップする環境がすごく整っていると思います。学びたい意欲があればどんどん伸びることができます。僕は中3の時に勧められて受けた東大模試がきっかけで東大受験を志すようになり、仲間と切磋琢磨することで無事に合格することができました。また、行事が多く、とても楽しい6年間を過ごせたことも印象深いです。

渡邉 学校行事や体験を軸にした授業が楽しく、それを一緒に楽しむことができる仲間と出会える学校だと思います。私は笑いあり涙ありのとても充実した6年間を過ごすことができました。先生方との距離が近く、困ったことには親身になって相談に乗ってくれますし、勉強でわからないこともすぐに質問することができます。この学校で学ぶことで、志望する大学にも合格することができ、小学校の先生になるという夢を一歩前進させることができました。

石井 ありがとうございます。私も本校は教員も生徒もとてもあたたかい学校だと思っています。本校に入学した生徒には、勉強だけではなくさまざまな経験を通して、自分の夢に向かって成長していってほしいと思っていますし、教員としてそうした生徒を全力で応援していきたいと思います。

取材日:2025.8.27