“Aiming high!”
確かな力と人間力を育む教育プログラム未来考動塾がスタート
日本大学高等学校・中学校
日本大学高等学校・中学校は学校法人日本大学の付属校として1930年に創立された。以来87年に及ぶ伝統を受け継ぎながら、アクティブラーニング型授業やICT教育、グローバル教育など、時代のニーズに応える改革を実現している。その教育と今後の目標について、田村隆校長に話を聞いた。
—2020年の大学入試改革に向けて、様々な改革を行っています。
本校では、自ら学び、自ら考えて主体的に行動し、世界の多様な人々と協働する力を身につけていくために、他校に先駆けてアクティブラーニング型授業を導入しました。また、ICT教育とグローバル教育も積極的に推進しています。これらを活用して教育効果を高められるよう、現在、カリキュラムの改革を進めているところです。
ICT教育においては昨年、電子黒板を全クラスに設置しました。中高生全員がタブレットを操作しながら授業に参加しています。ICT機器やそれらを生かしていく教育ソフトを有効に活用することで、「一方向型の授業」から「双方向型の授業」に転換し、能動的な学びを実現しています。
また、アクティブラーニング型授業を充実させるために、教員向けに各種研修の機会を設けているほか、インターネットサイト「Find アクティブラーナー学校版」を導入しました。これにより、教員の意識改革を行い、アクティブラーニングの手法と実践スキルの向上を図っています。
こうした教員たちの努力が、生徒の主体的な学びにも結びついています。2020年からの新テストにも柔軟に対応できると確信しています。
—今年、高校にスーパーグローバルクラスを設置しました。
スーパーグローバルクラスでは、多くの体験や課題解決への取り組みを通してグローバルな視野を広げ、自己の能力を発揮して社会に貢献できる人材を育成しています。
中でも、高校1年次での約2週間のハワイ研修と、高校2年次の約3週間のニュージーランド研修では、語学学習とともに様々なアクティビティを用意。ホームステイをしながら語学学校に通うというシンプルな研修ではなく、「体験」を通して一人ひとりの個性を高め、生徒が持っている力を存分に伸ばしていきます。
この他、ネイティブスピーカーによるオールイングリッシュの授業、第二外国語の履修など、グローバル人材育成のための多彩なプログラムがあります。また、大学や企業とタイアップした、問題解決能力を養う取り組みも充実しています。
また、今夏、各国代表の高校生20数人を招いた異文化交流プログラムを本校で実施しました。グローバルリーダーズコースとスーパーグローバルクラスの全員が積極的に交流し、異文化を理解する良い機会になったようです。
一方、昨年開設した中学のグローバルリーダーズコースは、多彩な体験を通してよりグローバルな視点を養うコースです。少人数による語学教育のほか、海外研修や校外学習などの機会を豊富に用意しています。
この他、日本大学のスケールメリットを生かして毎月1回、16学部の学びを順に体験。早くから自分の進路を意識しながら学んでいます。
—今後の改革や目標についてお聞かせください。
スーパーグローバルクラスは文系的な色合いが濃いので、理系的な要素を持つグローバルサイエンス系のクラスの設置を計画しています。
また今年、常に高みを目指す姿勢を持つという本校の方針を表す「Aiming high!」をスローガンに掲げました。これから、時代はさらに変化していきますが、それに対応しながら生徒の夢を実現していきたい。そのために、「日本大学マインド」を持って社会に貢献できる人材の育成を使命に、新たな教育活動を展開していきたいと思います。
—スーパーグローバル(SG)クラスを選んだ理由を教えてください。
屋宜 中学から入学しましたが、英語が得意で、高校でさらに英語力を伸ばしたいと考えていました。今年新設されたクラスなので少し不安もありましたが、改めて入試を受け、SGクラスに入りました。
小池 父が外国人なのですが、日本の小・中学校に通っていたので日本語中心の生活を送っていました。でも、将来的に英語を話せたほうがいいと思い、英語力が伸ばせるSGクラスを選びました。
—SGクラスの英語教育を受けて、どのように感じますか。
屋宜 SGクラスでは、真面目に勉強をしたり、授業中に積極的に発言するのが当たり前の空気があります。各自の英語のレベルに合わせて学べるので、着実に英語力を高めていけます。まだ半年足らずですが、実力が伸びているのを実感しながら学んでいます。
小池 SGクラスは20人しかいないので、みんな仲が良く、勉強をするときと遊ぶときの切り替えができる生徒が多いです。また、週1回のスカイプ英会話授業では、30〜40分間、オールイングリッシュで会話をします。最初のうちは頭の中で考えてから英語を話していましたが、スムーズに英語が出てくるようになりました。家でも父と会話をする際、英語でも話せるようになり、日常生活から大きく変わったと思います。
屋宜 夏の異文化交流プログラムにもクラス全員が参加しました。各国の高校生と交流する中で、異なる文化について学べましたし、ディベートを通じて、各国の常識について知ることができたことも良かったです。
小池 異文化交流プログラムでは、スカイプの授業で培った英語力が生かせました。海外の人と触れ合う中で、話す言葉は違っていても、考えていることは似ていると感じる瞬間もありました。
—将来の目標について教えてください。
小池 SGクラスで英語の楽しさに気づいたので、将来、海外の大学に進学し、英語を使って仕事がしたいと思うようになりました。
屋宜 東京五輪もありますし、これから外国人がさらに増えていくと思います。医療系の仕事を視野に入れていますが、医療の現場でも英語が必要になることが多くなると思うので、そういう場面で英語力を生かしていきたいと思います。
取材日:2017.9.7