自学自習の習慣を身につける城北の教育
城北中学校・高等学校

施設・設備を整え、生徒が自主的に活動できる場所を数多く用意

城北では、塾や予備校に頼らず学校の勉強だけで難関大学に合格する生徒が多いという。その一端を担っているのが、自学自習の習慣を身につける教育体制だ。その教育について、進路指導部部長の加門康徳教諭と、国語科の高橋慶臣教諭、英語科の入野悠己教諭に話を聞いた。


城北には、通常の授業をはじめ、さまざまな取り組みによって生徒の学習意欲を高め、希望する進路を実現していく体制がある。塾や予備校に頼らない充実した取り組みについて、進路指導部部長の加門康徳教諭がこう話す。

「実力をつけるために最も大切なのが授業です。本校の場合、通常の授業自体が大学受験に対応できる内容になっています。また、各教員がしっかり授業を行うことはもちろんですが、教員から与えられた課題をこなすだけでなく、自主的に学ぶ姿勢を養うことも学力を伸ばす上で重要です。そのために、生徒一人ひとりに寄り添った、きめ細かな体制を整えています」

中1・2の基礎期では、学習習慣を確立し、各教科の基礎力を養っていく。生徒一人ひとりの状況に応じて補習や講習を実施。面談も多く行うなど、常に身近で生徒を見守り、サポートする体制がある。

また、中3からの錬成期は、中1・2で養った自律的な学習習慣のもと、将来について考えていく時期になる。生徒の自主的に学ぶ姿勢が良く表れているのが、夏と冬の長期休暇中に行われる講習会だ。

中3〜高2対象の講習会は50年以上の伝統がある。前期と後期に分かれて各5日間実施され、生徒は自分に合った講習を受講する。任意の講習会にもかかわらず、参加者は在校生の9割以上と多い。長期の休みに入っても講習に参加するのが当たり前になっているようだ。英語科の入野悠己教諭がこう話す。

「講習会では、生徒の状況をよく知る各教科の教員が担当することで、生徒の実力に合わせた授業を展開しています。また、講習会は学校に残って仲間と一緒に勉強するという学習習慣をつくるきっかけの一つにもなっています。それが、高3の受験期になっても塾や予備校ではなく学校で勉強するという城北生ならではの受験スタイルを形づくっています」

講習会では、英・国・数の3教科についてレベル別の授業を行っている。通常の授業では扱わないような発展的な内容から1学期の復習まで、多彩だ。そこで使用する教材は担当教員が独自に作成する。国語科の高橋慶臣教諭がこう話す。

「国語科では通常の授業で問題を解くことがあまりないので、私の講習は演習中心で行っています。前日に学んだ単語や文法を翌日も別の文章で使用するなど、5日間で知識を積み重ねていけるように教材も工夫しています。講習会にはいろんなクラスの生徒が集まっていくので、普段の授業より緊張感があります。講習後も多くの生徒が質問に来るなど、皆が意欲的に取り組んでいます」

この他、毎朝7時から実施している希望者対象の朝講習には、中学は30人以上、高校は70人以上が参加している。講習会をはじめとするこうした取り組みが、自学自習の姿勢を養っている。 また、多くの生徒が休み時間や放課後、空いた教室などで勉強しているのも、城北ではよく見られる光景だ。高2・3が通年で使用できる自習室も毎日、多くの生徒が利用している。

「平日は朝6時から学校で勉強している生徒もいますし、国公立大の試験前日まで学校に通ってくる生徒もいます。生徒同士、最後まで教え合い、励まし合って受験を乗り越えていくというのが、本校の校風にもなっています」(高橋教諭)

大学受験対策の一つ、高3対象の大町学習室も古くから行われている伝統の勉強合宿だ。夏休みに9泊10日で行われており、毎年多くの生徒が参加している。合宿中、教員による授業はなく、自分たちで計画を立てて集中的に勉強。質問があれば随時、待機している教員が対応する。合宿では、一人当たり100〜130時間勉強することになる。その体験が自信につながり、2学期以降の勉強に生きてくるという。

高3は12月初旬にはすべての授業が終了する。その後は特別講座を実施。これも希望者対象の講座だが、ほとんどの生徒が登録しているという。演習が中心で、志望大学や科目別に講座を設定。生徒各自が希望するものを受講している。

ICT環境を整え、新しい大学入試に対応する

2020年度から大学入試センター試験に変わって大学共通テストがスタートする。国公立大では英語の外部検定試験が必須になるなど、大学入試は今後、大きく変わっていくことになる。入野教諭が言う。

「大学入試が変わっても、本校の教育で十分に対応できると思います。また、本校は最先端のICT教育環境を整備し、オンライン英会話などのICTを活用した授業もしやすくなりました。これも、新しい大学入試に対応するには大きなメリットです」

高校時代の活動を蓄積するeポートフォリオの活用や、大学共通テストで導入される記述力・読解力を問う問題への対策など、新たな大学入試への対策も万全だという。最後に、城北の魅力について、加門教諭がこう話す。

「本校には、生徒一人ひとりの自主性を尊重し、希望に応えられる環境があります。勉強はもちろん部活動などの課外活動も活発なので、いろんなことにチャレンジできます。何より、苦しい受験期にも助け合える仲間に出会えるのは、本校最大の魅力ではないでしょうか」

取材日:2019.7.22