希望進路を実現した
卒業生の話から見える中村の魅力
中村中学校・高等学校
江東区・清澄白河駅から徒歩3分と利便性の高い場所にありながら、緑豊かな環境に囲まれている中村中学校・高等学校。今年で創立111年周年を迎えた歴史ある女子校だ。生徒が自分らしく生き生きと過ごせるように、学校全体でサポートしている。現在、大学に通う2名の卒業生に、中村で過ごした日々を振り返ってもらった。
ー中村ではどんな6年間を過ごしましたか。
池内 中学受験の前にいくつか私立中学校の文化祭を見に行ったのですが、中村が一番楽しそうだったので、志望しました。小学生の頃からテニスを習っており、硬式テニス部があることや、制服がかわいいことなども入学を決めた理由です。
入学後は勉強と部活動の両立に力を入れました。勉強面では、宿題の提出期限を守ることや、定期テストでいい成績を取ることなどに集中し、部活動では、高2で副部長、高3で部長を務め、部員の見本となれるように頑張りました。
また、特に印象に残っている行事は高3での体育祭です。応援合戦で使う衣装を作る係のリーダーとして奮闘しました。準備に2カ月以上の日数をかけ、応援団全員分の衣装をデザインから考えて手作りしました。
中高時代は忙しい生活を送っていましたが、さまざまなことに挑戦して充実していたと思います。
前田 自分が興味を持ったことに片っ端から取り組んだ6年間でした。中村では校舎の廊下にさまざまなイベントのポスターが貼られています。江東区が主催する江東こどもまつりのボランティアや、近隣の保育園での職場体験などは、そうした学校のポスターを見て参加しました。
この他にも、高2のときに文部科学省が支援する留学プログラム「トビタテ!留学JAPAN」の審査に合格し、メキシコでウミガメの環境保護ボランティアに参加しました。
また、新体操部で部長を務めており、文化祭のオープニングセレモニーで演技を披露した際には、多くの人を感動させることができました。中村ではみんなの前に立って喋る機会が多く、自分の意見を言ったり自分を表現したりすることに、あまり抵抗を感じなくなりました。
ー大学進学についてはどのようなサポートがありましたか。
池内 高2のときに参加したオープンキャンパスがきっかけとなり、指定校推薦で青山学院大学を受験しました。オープンキャンパスでは法学部の模擬授業を受けて、法律がとても身近なものだと感じられました。法学部は生活に深く関わりのある学部で、将来に役立つ知識も得られると思います。
指定校推薦では志望理由書の提出の他に、試験当日に小論文のテストがあります。中村では小論文対策として先生がマンツーマンで指導してくれます。何度も練習を繰り返し、書き方のテクニックを身につけました。
また、普段から先生が生徒の理解度を確認しながら授業を進めるなど、生徒をよく見て授業をしてくれました。質問がしやすく、親身になってくれる先生が多かったです。そのお陰で、塾や予備校に通うことなく合格することができました。
前田 家で勉強するのが苦手だったので、いつも学校で勉強していました。中村には夜の8時まで自習できる「20時残留」の制度があります。よく使っていた勉強場所は、図書館「コリドール」です。中1の時から先輩方が勉強している姿を見ていたので、自分も受験生になったら同じように勉強しようと考えていました。
中村では少人数指導が徹底していて、わからないときは授業を止めて先生が教えてくれます。大学受験で一般入試を目指す生徒を対象にした「直前講習」では、理系の古文の授業で生徒は私一人でしたが、先生が丁寧に教えてくれました。
東京海洋大学を進学先に選んだのは、海や生き物に興味を持っていたからです。中でもウミガメが好きで、海中に漂う海洋ごみであるマイクロプラスチックなどの問題について深く勉強したいと思い、海洋資源環境学部を志望しました。
ー中村で成長できたことや将来の目標について教えてください。
池内 中村ではクラスをまとめる代表委員や、縁の下の力持ち的存在の「学校週番」の仕事をする中で、大きく成長することができました。大学では法律のことを中心に、英語や他のさまざまな分野についても勉強しています。今はまだ将来の夢は決まっていませんが、やりたいことが見つかったときに幅広く対応できるようにしたいです。
前田 将来はウミガメに関わる、海洋環境の保全活動に携わりたいです。今は知識をたくさん蓄える時期だと思っています。中村では、責任感を持って仕事を成し遂げることを学びました。培った力をこれからの人生にも生かしていきたいです。
先生からのメッセージ
生徒一人ひとりの進学の希望に対し、丁寧に対応しています。大学の偏差値や指定校推薦の枠ありきでの指導はしていません。生徒本人が納得して、行きたいと思える大学へ行くためのサポートを心がけています。本校では目的を持って大学受験に臨む生徒が多いのですが、そうなるための仕掛けを随所に用意しています。中学ではまず自己の適性の可能性を探りながら、幅広く社会のことや職業について学び、高校では学部・学科や大学について学ぶ機会を設け、より具体的に自分の進路をイメージできるようにしています。また、生徒のために献身的に行動する教員が多く、生徒にとってベストは何かを常に考える風潮が学校全体にあり、それがアットホームな雰囲気や、教員と生徒の距離の近さにつながっているのだと思います。
取材日:2020.8.26