基本を徹底して強固な土台を作り、
将来飛躍するための力を蓄える

埼玉栄中学校・高等学校

基本を徹底して強固な土台を作り、将来飛躍するための力を蓄える

部活動の目覚ましい実績を誇るだけでなく、大学合格実績も伸びているのが埼玉栄中学校・高等学校だ。基礎学力の徹底を図り、生徒の個性を伸ばすための教育に力を入れている。やる気を引き出し、成長するための環境を整えている。中高一貫教育の特徴について、原田道之教頭に話を聞いた。


中学には医学、難関大、進学の3クラスがある。医学クラスは医学部を志望する生徒が対象だ。東大、帝京大、北里大、筑波大などの医学部と連携し、研究室訪問や大学病院への見学を実施している。最先端の技術を目の当たりにしたり、研究方法を教えてもらったりするほか、所属する学生の話を聞くことで医学部受験へのモチベーションを高めている。

難関大クラスは国公立大をはじめとする難関大学への合格を目指すクラスだ。中学では基礎を固め、高校ではハイレベルな授業を展開する。進学クラスは幅広くさまざまな方面への進路に対応するクラスだ。

教育の根底にあるのは、中学で基礎学力を確実に定着させる。その土台のもと、高校ではさまざまなプログラムに取り組み、将来伸びていくための力を身につけさせる。基本の徹底のために、朝は1時限の前の0時限に選択授業を実施。授業で習った部分の確認や、演習問題を解くための時間となっている。放課後には発展的な内容を学習する7時限を設け、選択授業を実施している。7時限は教員だけではなく外部の講師による授業も行われている。医学クラスは7時限選択授業も特別講座を用意しており、学力アップのサポート体制が整っている。0時限も7時限も選択制なので、正規の授業以外に自分だけの時間割を作って学ぶことが可能だ。

中学では毎日、朝読書を行っている。1時限目が始まる前の10分間の時間に、自分で選んだ好きな本を読む。朝読書の意義について、原田道之教頭がこう話す。

「言葉を知ることを目的としています。何度も読んで漢字を覚えたり、わからない言葉を調べたりする習慣が身につきます。言葉はコミュニケーションのツールとして非常に大切です。大学入試の小論文や、面接などでも役立つでしょう。また、朝読書の導入により、国語の成績が持続的に伸びています」

コロナ禍で注目されるICT教育だが、埼玉栄では以前からICT環境を整え、授業に活用している。学習ツールとしてClassiを導入し、画像や動画を用いた授業を展開。社会科や理科の授業では、書画カメラやパソコン、プロジェクターなどを使用して、より視覚に訴えかける情報をクラスで共有している。さらに、校内はWi-Fi環境を整備しており、タブレットを用いた調べ学習をすることができる。ICT教育の可能性について、原田教頭がこう話す。

「生徒は新しいツールにも柔軟に対応しています。これからの時代は、便利なものをどう使いこなすかというのが大事になってきます。それを教えるのが我々教員の役目です。勉強に限らず、さまざまなことを経験させたいと思っています」

選択肢を多く用意して、生徒のやる気を引き出す

また、日本のグローバル化が急速に進む中、国際理解教育では、英語活用能力のみに特化せず、海外の人と対等にわたりあえる人材の育成を目指している。そのために重視しているのが、日本の良き伝統文化や素晴らしい自然環境を海外の人に伝える力を身につけることだ。自国の文化を理解することを国際理解への第一歩としている。中2の鎌倉校外学習や京都・奈良校外学習では、日本の文化についての調べ学習を行い、中3での修学旅行に向けて、英文で発表材料を作成する。国際理解教育の集大成となる中3オーストラリア修学旅行では、学校訪問やホームステイを実施。日本の文化を英語で紹介したり、現地の生徒と課題解決型の授業に取り組んだりする。原田教頭が言う。

「修学旅行に行って受けた刺激がきっかけとなり、卒業後にオーストラリアの大学へ留学する生徒もいます。何でも教え込むという教育を行うのではなく、動き出すためのきっかけを作り、生徒が自分で方向を定めて頑張れるような環境を用意しています」

キャリア教育にも力を入れている。中学では埼玉経済同友会と連携し、企業のトップなど、さまざまなジャンルの成功者を招いて教育講演会を行っている。新たなものに興味・関心を持ったり、将来の方向性を考えたりするきっかけになるという。他にも、東京の経済同友会が主催する学生討論会に参加するなど、多彩な取り組みがある。高校では企業訪問や職業体験を実施している。中学段階からキャリア教育を6年間継続することで、大学進学のみにとらわれない、自分の将来の生き方まで見据えたキャリアを描けるようにしている。

進路指導においては、生徒の主体性を重んじ、やる気を引き出すことを第一としている。授業やキャリア教育のほか、レベル別の課外講座など、生徒は自分で選択することができる。また、適切なアドバイスを行うため、進路指導センターを設置。専門スタッフが常駐し、学習や進路に関する相談に応じている。

「生徒の希望する進路に進むための手段や方法を一緒に考えます。進路について誤って考えている生徒には、頭ごなしに否定するのではなく、きちんと調べたり考えたりするよう指導しています」(原田教頭)

最後に、原田教頭がこうメッセージを送る。

「自分を成長させるために、生徒が自分で考えてさまざまな活動に取り組めるようにしています。これから頑張って自分を伸ばしていきたい、飛躍したいと考える生徒には絶対に後悔させない学校です。そのための環境を十分に整えています。本校には勉強が得意な生徒や運動が得意な生徒など、異なるフィールドで活躍する生徒がたくさんいて大いに刺激を受けることができます。部活動では一流の指導陣がそろっており、基礎からしっかり学ぶことができます。コロナ禍の影響により、説明会に来ることが難しくなっていますが、ぜひ一度、学校見学に来てください」

取材日:2020.7.31