自発的に学び続ける力を育て、
学校卒業後も夢に向かって努力できる人材を育成

安田学園中学校・高等学校

「自学創造」を実現するきめ細かな教育プログラムを実践

JR総武線・都営地下鉄大江戸線「両国」駅からほど近い東京都墨田区に位置する安田学園中学校・高等学校。創造的学力と人間力を統合する教育を実践しており、近年は大学合格実績を大幅に伸ばしている。2022年度入試で東大に現役で合格した卒業生の杉江美緒さん、伊波乃々華さん、橋本英明さんと、3人を担任として指導していた大西洋平教諭(英語科)、淺野美帆教諭(国語科)に話を聞いた。


―先生から見て、3人はどんな生徒でしたか。

大西 非常に素直で頑張り屋さんです。知的好奇心が旺盛で、学びに関して貪欲な印象がありましたね。彼らは勉強しなくてもテストの点が取れるような突き抜けた天才ではなく、日々の学習を積み重ねて東大合格を勝ち取った努力家という印象です。

淺野 3人とも明るく元気で人懐っこい性格でしたので、担任の私たちとも距離が近く、よくコミュニケーションを取っていました。

―受験期はどのように勉強していましたか。

杉江 スケジュールをあまり固定せず、勉強したいときは夜中まで勉強して、別の日にしっかり寝ることでバランスを取っていました。長時間、机に向かうのが苦手だったので、いつでも勉強モードに入れるように、分からない問題や暗記項目をメモにまとめて部屋のあちこちに貼っていました。

伊波 平日は学校で放課後の講座を受けてから19時頃まで残って勉強し、帰宅後は23時台に寝るまで勉強しました。休日は自宅近くの図書館で勉強していました。東大受験に必要な全教科・科目の成績を上げるために、休日はなるべく全科目をまんべんなく勉強することを心がけていました。勉強に行き詰まったときは、寝ることで気持ちをリセットしていました。

橋本 平日は朝早く起きて、学校に行く前に理数系科目を勉強し、休日は主に過去問演習に時間を使いました。東大の入試問題に使われている解答用紙を自作したり、入試本番と同様の時間割で過去問を解いたりして、とにかく問題形式に慣れることを意識しました。また、間違えた問題や覚えるべきポイントをまとめたノートを作り、それに自分を励ますような言葉を添えて入試の試験会場にも持っていきました。

大西 洋平 教諭(英語科)

―安田学園ではどのような学習支援を行っていますか。

淺野 学校完結型の学習環境を整えています。中1から高2の2学期までを「学び力伸長システム」、高2の3学期から高3までを「進学力伸長システム」で指導しています。

学び力伸長システムでは、基本的な学習習慣や基礎学力を身につけるのが目的です。毎朝小テストを実施し、合格点に達しなければ放課後に補習を行います。また、自分自身の学習スタイルを確立するために、自分で計画を立てて独習を行う独習デーといった行事も行います。進学力伸長システムでは、大学入試に向けた実戦力を養います。志望校別に入試演習を行う放課後進学講座を中心に、現役で第一志望の大学に合格できるようにサポートしています。

―先生のサポートはどうでしたか。

杉江 記述問題の演習量を増やすために、あらゆる教科の先生に自分の答案を添削してもらいました。答案返却が速く、翌日には添削が返ってくるので、さらにやる気が上がりました。

伊波 いろいろな先生が質問に丁寧に答えてくれました。特に世界史は入試直前に毎日先生に教えてもらいました。併願校について悩んでいたのですが、たくさん相談に乗ってもらいました。

橋本 難しい問題を持っていっても先生が一緒に考えてくれて、とにかく丁寧に教えてくれました。

―東大合格に至った最大の要因は何だと思いますか。

杉江 自己分析がきちんとできたことです。模試や過去問演習で、自分がどの科目で何点くらい取れるのか、どういう戦略を立てたら一番いい点数の取り方ができるのかといったことを考えて勉強したことが合格につながったと思います。

伊波 社会が苦手でしたが、最後は全科目でバランスよく点数を取れるようになったので合格できたと思います。東大は受験科目が多いので、苦手科目を作らないことが大事です。

橋本 自分に合った勉強法を確立できたのが勝因だと思います。日頃から本番を意識した問題演習を行って、問題の本質をつかんで実際の入試問題にも応用できるように勉強するのが大事だと感じました。

淺野 美帆 教諭(国語科)

―将来やってみたいことや、目指していることは何ですか。

杉江 司法試験の勉強を始めようと思っています。司法試験に合格して、自分の可能性や将来の選択肢を増やしていきたいです。

伊波 大学後期課程(3〜4年生)の進学選択では、経済学部に進みたいと考えています。さまざまなアルバイトを経験したりインターンシップに参加したりして、自分の興味のある分野を探っていきたいです。

橋本 ものづくりが好きで、趣味でプログラミングを勉強してホームページなどを作成しています。大学では工学部の情報系の学科に進みたいです。自分で何かを作り、社会に貢献できるようになれたらと考えています。

大西 本校では、自分が将来どうなりたいのかを明確にするために「キャリアデザイン教育」を行っています。なりたい自分が見つかったら、それを実現できるように自己を高めていきます。また、社会人に必要とされる人間力や道徳を中学生のうちから身につけてほしいと考えています。自分が向いているものを発見し、将来に向かって頑張るモチベーションに変えていくというのが本校の目指すキャリア教育です。

―最後に、受験生や保護者にメッセージをお願いします。

淺野 今回話をしてくれた3人は、同じ目標を持って6年間切磋琢磨してきました。そんな貴重な仲間や一生の友人、親身になってくれる教員に出会える学校として、安田学園に魅力を感じてくれたら嬉しいです。

大西 それぞれ違った個性がある“普通の”生徒たちが、縁があって安田学園に入学し、そこで得た仲間や環境を力に変えて、東大に合格しました。ぜひ入学して彼らを参考にし、希望を持って6年間を過ごしていただければと思います。

杉江 美緒さん(東京大学 文科一類)
伊波 乃々華さん(東京大学 文科二類)
橋本 英明さん(東京大学 理科一類)

取材日:2022.8.24