共学化3年目、これからも生徒が主役となって、
変化し進化し続ける学校を目指します

光英VERITAS中学校・高等学校

2021年4月に共学校として新たな学校名でスタートを切った光英VERITAS中学校・高等学校(旧聖徳大学附属女子中学校・高等学校)。独自の教育システムであるヴェリタス・トルネード・ラーニング*なども注目を集め、受験者数、入学者数ともに順調に増えている。共学化から3年目を迎えた現在、学校や生徒たちにどのような変化があったのか。そして、今後どのような学校づくりに取り組んでいくのかを、校長の川並芳純先生にうかがった。

*課題解決と課題発見を繰り返す「探究的な学び」のプロセスを、教科学習から学校内外への活動全体へとトルネードのように大きく広げる学びの手法。土台となる思いやりの心とコミュニケーション力を小笠原流礼法で磨き、理数教育と英語・グローバル教育を軸にICT活用で学びを加速させ、学外の大学や地域や企業との協働へとつなげ広げていく。


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共学化をはじめとするさまざまな教育改革を行い今年度で3年目を迎えました。本校は1983年の開校以来、小笠原流礼法を土台にした思いやりとマナーのある人間教育を大切にする一方、生徒の自主性を重んじた自由な校風で、真面目で明るく、そして何より元気のよい女子生徒が多く集まる学校でした。そこに男子生徒が入ってくることで、どんなふうに変化するのかなと思っていましたが、初年度に1年生と4年生(高校1年生)が入ってきた時に最上級生である6年生が、男女問わずとてもよく新入生の面倒をみて、しっかり指導してくれたんです。そのおかげで男子生徒も自然に本校に溶け込み、自由で自律ある校風はそのままに、多様性と活気のある新たな学校へと最初の一歩を踏み出すことができました。

楽しみながら学ぶ理科実験が人気

共学化による大きな変化のひとつが、理科や数学への関心の高まりです。本校には理科や美術などの特別教室が集まった校舎があるのですが、現在2階はすべて理科系の実験室となっていて、「サイエンスフロア」と呼ばれています。7つの理科実験室を活用して、年間30から40回の実験を行なっています。

本校はもともと理数教育には力を入れていて、科学部も熱心に活動していましたが、男子生徒が入ったことで、科学部員が中心となった「誰でもサイエンス」というイベントを開催するなど、雰囲気が一変しました。例えば、紙とセロテープだけを使って自由なデザインの卵のプロテクターを作り、校舎から落下させてその性能を競う「エッグドロップコンテスト」などは、学年を超えたチーム対抗形式で実施され、学校全体で大いに盛り上がっています。

もちろん個人差はありますが、おおむね中高生くらいの男子生徒は女子生徒に比べるとやや子どもっぽい面があります。ゲーム性があるとものすごく熱中する。けれど、科学でも何でも、遊びのようにして、みんなでわいわいと楽しみながら学び合うことは、素晴らしい。夢中になって取り組む男子生徒の姿に刺激を受けて、女子生徒も思う存分、実験などの理数科目を楽しみはじめた印象です。

学校説明会でのクラブ活動紹介でも、科学部が実験ショーを行うようになり、今年度は理科実験に興味を持って入学した生徒も増えたようです。学校も生徒の熱意に応えるべく、3Dプリンターやプログラミングロボット、360度カメラなど、生徒や理科教員からリクエストのあった最新の機器を導入予定。充実した設備を活用し、これからもどんどん理数サイエンスの学びを突き詰めていってほしいですね。

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"つながる、ひろがる"学びを強化

今後の展望としては、高大連携のような大学とのつながりや社会とのつながりをより広げていきたいと考えています。「東大キャンパスリサーチ」や東京理科大との提携プログラム、早稲田大学留学生センターとの交流などはこれまでも多くの生徒が参加し、学校の授業だけでは得られない刺激を多く受けてきました。生徒はこうしたさまざまな機会を活用し、自ら探究したいことを見つけくれているなという手応えを感じています。本校は「第一志望合格」を進路指導の目標に掲げています。東京大学をはじめ国公立や難関私立大への進学も増えていますが、偏差値にこだわらず、学びたいことが学べる進路選択を応援しています。実際、海外大学に進学する生徒が出てくるなど、多様化している点は嬉しいですね。

できれば、大学だけでなく研究機関や、JICAのような国際協力機関、幅広い業界の企業ともつながるなど、生徒たちの世の中に対する視野をもっと広げていけるよう、取り組みを進めていきます。

生徒たちが主役になってつくる学校

共学化以降、入学希望者数は順調に増えています。本音としては「本校で学びたい」という生徒たちには全員入ってきて、存分に学んでほしいのですが、定員があるため入試という基準を設けさせてもらっています。ただ、単に国語算数理科社会といった4教科の成績以外にも判断基準を設けたいと考え、これまでにも英語入試などを実施してきました。今後は、新しいことに取り組む意欲など本校の学びにマッチした生徒のための入試の新設も考案中です。

本校は、生徒たちが日々着実にステップアップできるように、ヴェリタス・トルネード・ラーニングをはじめとするさまざまな教育カリキュラムを整えており、それらも大きな特徴です。ですが、少しでも本校に興味がある受験生や保護者の方には、ぜひ学校に直接足を運んで、生徒たちの学校生活の様子を見てほしいと思っています。学校の魅力は生徒たちが主体となってつくりあげるものです。とりわけ本校は、生徒の自主性を大切にし、生徒たち自身が工夫してよりよい学校生活を作り上げています。オープンスクールや学校説明会で生き生きと活躍する生徒たちの姿を見て、「仲間になりたいな」と思ってくれる皆さんを待っています。

取材日:2023.5.8