ヴェリタス・トルネード・ラーニングが実現する探究学習の先にある、
人と社会と自然に貢献する進路指導

光英VERITAS中学校・高等学校

2022年4月に中高一貫共学校として新たなスタートを切った、光英VERITAS中学校・高等学校(旧聖徳大学附属女子中学校・高等学校)では、生徒の学びへの興味関心を軸に据えた進路指導を行っている。独自の教育システムであるヴェリタス・トルネード・ラーニング*を通し、「良質な進路指導」を目指す取り組みについて、副校長の大野正文先生と、進路指導部長の松浦享子先生に話を聞いた。

*課題解決と課題発見を繰り返す「探究的な学び」のプロセスを、教科学習から学校内外への活動全体へとトルネードのように大きく広げる学びの手法。土台となる思いやりの心とコミュニケーション力を小笠原流礼法で磨き、理数教育と英語・グローバル教育を軸にICT活用で学びを加速させ、学外の大学や地域や企業との協働へとつなげ広げていく。


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副校長|大野正文 先生

―生徒の興味関心を主軸とした進路指導について教えてください。

大野 まず本学の進路指導ですが、単体ではなく、本学独自の教育システムであるヴェリタス・トルネード・ラーニングの一環として位置付けています。本学の探究的な学びのテーマは「人や社会や自然に貢献する」です。生徒たちは、将来、仕事などを通して自分が世の中のどのような課題に取り組みたいかを考えます。大学はそのために必要な学びを得る場所です。やりたいことの道筋を見出すことで、おのずと進路も定まります。

進路選択の際に、好きな科目や得意科目から文系理系を決める生徒も多いですが、先に自分がやりたいことがあれば、そのために苦手科目に取り組む原動力になります。逆に自分の得意科目を活かす方向で目指す職業へのアプローチを探すこともできます。例えば自然環境を守るには、環境に負荷を与えない素材を開発する理系分野の仕事もあれば、環境を守る法律を作る文系分野の仕事もあるのです。

松浦 進路探究プログラムは、まず、中学1年生で職業調べを行い、2年生で職場体験や社会人の方を招いた講演会に参加するなど、社会を知る体験学習を徐々にステップアップさせていきます。社会人講演会での「数学など学校で勉強している時には、何の役に立つのかわからなかった科目が、実際に社会に出るとさまざまな場面で役立っている」というお話など、単に仕事を知るだけでなく、学校での学びと仕事とのつながりを知る機会にもなっています。こうしたプログラムを実施することで、ここ数年、生徒たちの進路希望がより具体的になったり、多様化したりといった変化を実感しています。

大野 ほかにも、生徒の委員会活動に企業の社会貢献活動をリンクさせたり、学校行事として地域のボランティア活動を行ったりと、学校生活すべてに社会とのつながりを取り入れています。

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第一志望校合格率を90%以上に

―進路指導における、目標値はありますか?

大野 一番の目標は「第一志望合格率90%以上」です。生徒たちには、探究的な学びを通して見つけた課題を解決するために、目指す大学に全員合格してほしいと考えています。よりよい学びの場を目指した結果、国公立大学や難関大学に挑戦する生徒も多くなるかと思いますし、明確な目的意識があれば、高いモチベーションで受験勉強に取り組むことができます。

松浦 ミスマッチのない「良質な進路指導」のためには、生徒が大学を知ることがとても大切です。「東大キャンパスリサーチ」や「早稲田大学こうはいナビ」、東京理科大学との提携プログラムなど、大学を知る機会をたくさん設けています。

さらに本学では、ヴェリタス・アフター・スクール(VAS)という大学生がメンターとなって、中高生の基礎学力の定着から大学受験勉強までの自学自習をサポートする取り組みを行っています。高校になると、志望大学の学生メンターから受験勉強の進め方や学部選択の考え方を教えてもらうことができるので、適切な受験対策がとれると同時に、生徒たちが大学に親近感を抱く上でも役立っています。

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進路指導部長|松浦享子 先生

―最後に受験生の皆さんへのメッセージをお願いします。

大野 本学は新しくスタートしたばかりの学校です。生徒を育てるとともに、私たち教員も一緒に学び成長していきたいと思っています。自分たちの手で新しいことを始めたい、チャレンジをしたいという意欲のある生徒を待っています。

松浦 本学の学びは、単に成績を上げるだけなく、世の中のことを知り、問題を発見し、仲間と協力して課題解決に取り組む、人間力を高める学びです。「全部を育てる学校」として、保護者の方には、安心して子どもを預けていただきたいですね。

大学や社会とつながる学びのプログラムが、進路選択を広げる

立川さん 6年生(高校3年生)

進路選択のプログラムの一つである、「東大キャンパスリサーチ」に参加しました。難しい研究内容をわかりやすく解説していただき、もともと好きだった理科や数学への興味関心がより高まりました。昨年度はオンラインでの開催でしたが、実験室の様子なども紹介していただき、大学での研究のイメージを掴むことができました。私は聖徳大学附属女子時代からの生徒ですが、共学化して学校内がとても活気づいたと感じています。礼法を取り入れた学びや先生と生徒の距離感の近さなど、以前からの良い部分はそのままに、大学との提携など新しい試みも始まり、より意欲的に学べる環境になったと思います。

藤原君 5年生(高校2年生)

東京理科大との提携プログラムに参加しました。建築物の構造や強度の計算など、理数の知識がどのように活用されているのかを知ることで、世の中の見方が変わりました。将来はプログラミング関係の仕事をしたいと考えていますが、大学との提携プログラムや、大学生の方による進路選択のための講座に参加することで、自分がやりたいことと学びたいことのつながりがよくわかりました。授業だけではなく、部活や委員会活動など、学校生活全体を通して、いろいろな経験ができるのが、うちの学校の良さだと思います。自分が成長できたなという実感があります。

取材日:2022.4.25