心の教育と最先端の取り組みにより
人間力を育てる駒込イズム

駒込中学校・高等学校

「一隅を照らす」最先端の教育を実践

駒込中学校・高等学校は、創立343年の伝統を持つ仏教校だ。仏教的情操教育を基盤とする創立以来の人間教育と、ICT教育やSTEAM(ScienceTechnologyEngineeringArts Mathematics)教育などの最先端の取り組みを融合させた、多様性あふれる学校づくりを進めている。先を見据えた数々の学校改革を進めてきた河合孝允校長が目指す教育とは—。


―御校が重視している人間教育とはどのようなものですか。

世界は今、分断の時代を迎えており、これを乗り越えるための思想と行動力が求められています。そんな混迷の世紀をどう生きるべきか。これは、受験生の皆さんの課題でもあります。本校では、「未来のための学園づくり」を目指し、自由な校風のもとで「なりたい自分になる!」駒込イズムを実現。生徒の自己肯定感を高める教育を実践しています。

思春期の生徒たちを育てるために、最も力を注いでいるのが心の教育です。建学の理念にもある、自分と向き合い、他者を思いやる「利他心」を育み、お互いを認め合いながら学校生活を送れるように、教育環境を整備しています。数々の仏教行事も、利他心を養う心の教育に結びついています。仏教修行生活を体験する比叡山研修や日光山研修など、様々な行事を通じて非日常を体験。こうした機会は、自己を見つめる「自己への気づき学習」にもなっています。

―最先端の教育にも取り組んでいます。

本校は数多くの改革を行い、早くからICT教育やSTEAM教育、グローバル教育などに取り組んできました。ICT教育では、先進事例校として高い評価を受けています。世界の先進諸国が行っているSTEAM教育も、理系先進コースに導入。「埼玉大学STEM教育センター」と提携した探究の授業を展開して、探究活動に必要な見方・考え方・伝え方を習得しています。授業での学びを生かす場として、生徒たちは外部のコンテストにも積極的に参加しています。

グローバル教育ではオセアニアを含めたアジア・太平洋地域での教育を強化し、世界で活躍する力と日本を世界に発信していく力を身につけています。世界を視野に入れた取り組みにより、「心の国境」を越えて国際社会で活躍できるリーダーを育成しています。

河合 孝允 校長

海外研修も盛んです。夏休みに行っているマルタ島語学研修には毎年約50人が参加。高1の3学期に行うオーストラリア・ニュージーランド留学には約90人の生徒が参加しています。このほか、オールイングリッシュで行われる2泊3日の英語キャンプや、ハワイセミナー短期語学研修、高2のシンガポール&マレーシア修学旅行など多彩なプログラムがあります。

―生徒たちが様々な分野で活躍しています。

最近の生徒の活躍は目覚ましいものがあります。コンテストなどに出場する生徒も多く、国際教養コースの生徒は模擬国連大会に出場。理系先進コースの生徒は、自立型ロボットコンテスト東京大会で優勝し、世界ロボットコンテストに日本代表として参加しました。また、宇宙エレベーターロボット競技会で3位に入賞した生徒、東京都主催のコンテスト「スタートアップゲートウェイ」で優秀賞に輝いた生徒もいます。経済産業省主催のドローンサッカー大会では本校の2チームが優勝と準優勝を独占。毎年行われている町おこしの懸賞論文では金賞や優秀賞を受賞しています。

クラブ活動も活発です。和太鼓部は全国大会の常連です。合唱部やサッカー部、アメフト部、柔道部、華道部、茶道部、書道部なども様々な賞に輝いています。個人では、中2の男子生徒がテニスの支部大会で優勝し、都大会に出場。個人加盟で参加した空手の大会で入賞した女子生徒もいます。

駒込中学校は2025年に100周年を迎えます。クラブ活動を頑張る生徒のために、100周年事業の一環として新部室棟を建設する予定です。大切な青春の日々を充実して過ごしてもらいたいと思います。

―中学入試では多様な入試を実施しています。

生成AIツールによって、学校のシステムや教員の在り方が変わりつつあります。そんな変革の時代を生きる次世代の子どもたちが自分の得意分野を生かせるように、PISA型(適性検査型)入試やプログラミング入試、英語入試、自己表現入試など多彩な入試を行っています。受験生にはプログラミングが得意な生徒もいますし、英検準1級の取得者もいます。入学した生徒には、「好きな勉強を好きなだけやって大人になりなさい」と伝えています。新時代の教育のキーワードであるダイバーシティを実現する本校で、「なりたい自分」を探してほしいと思います。

―受験生に向けて、メッセージをお願いします。

受験生の皆さん、あなたの明日は「未来」ですか?それとも「ただの別の日」ですか?人は己に打ち勝ったときに、最も遠くまで歩むことができるものです。そのためには日常の中にある「常識」自体を「問う力」が求められます。受験生の皆さんには、「偏差値」を問い、「自分のオリジナルな真の価値とは何か?」を見出してほしい。生きていく上で最も大切な「自己肯定感」はそこから生まれます。

取材日:2024.8.30