「自分たちの言葉で学校の魅力を伝えたい!」
入試広報生徒チーム「STAR」の活動レポート

麗澤中学・高等学校

「知徳一体」のこころの教育を理念とし、社会に貢献できるグローバル人材の育成を目指す麗澤中学・高等学校では、学校生活のさまざまな場面で「生徒が主役」となって活躍をしている。そのうちの一つが、入試広報生徒チーム、通称「STAR」(Student Team for Admissions at Reitaku)だ。年に8回程度実施される学校説明会の企画運営をはじめ、文化祭での学校PRやWEBを通した情報発信など、同校の入試広報活動の柱となって活動をしている。8月に行われた学校説明会でのSTARの仕事ぶりを追い、生徒たちに活動の楽しさややりがいについて話を聞いた。


入試広報生徒チーム「STAR」が発足したのは2013年、入試広報担当の教員が、学生スタッフが来校者の対応にあたる大学のオープンキャンパスのようなしくみを、高校でもつくれないかと考えたことがきっかけだ。生徒に呼びかけたところ、20名ほどの希望者が集まり、学校説明会での学校紹介や施設案内といった活動を始めた。現在は高校1、2年生の生徒80名前後がメンバーとなり、説明会などで壇上に立ち学校紹介を行うプレゼンテーション班、施設案内などを務めるイベント班、学校行事などをブログ記事で紹介するWEB班の3つに分かれて幅広く活動している。

入試広報担当の三角祥子先生はSTARについてこう語る。「教員の発案で始まった活動ですが、初年度から想像以上に多くの生徒が集まり、積極的に活動をしてくれました。私たち教員の役割はほぼ裏方で、企画などの事前準備から当日の運営まで生徒が主体となって行っています。ノウハウや反省点も先輩から後輩へと引き継がれているので、年々ブラッシュアップされていますね」

三角 祥子 先生

適材適所の人員配置で生徒主体でイベントを運営

取材日の8月25日は、中学生と保護者が参加する学校説明会と授業体験を含むオープンキャンパス、そして、中学2、3年生が前日から寮に宿泊して授業やイベント体験に参加するサマーチャレンジという3つのイベントが同時に開催される盛りだくさんのスケジュール。複雑なタイムスケジュールにも関わらず、リーダーをはじめとする幹部メンバーで、適材適所の人員割り振りを決定し、イベント運営にあたった。

当日の朝、次々と訪れる来校者に対応するのは受付係と案内係のメンバー。複数の受付に戸惑う来校者を見かけると案内係がすぐに声をかけて誘導し、受付係は資料の配布などを手際よく行っていた。

説明会が始まると、壇上にプレゼン班のメンバーが登場。スライドに合わせて学校紹介を行った。「芝生の中央広場で友達と駆け回って遊んだり、のんびりくつろいだりするのが好きです」「私がよく利用するのはメディアセンターです。本だけでなくDVDもあって映画鑑賞ができるんです」と随所に生徒自身のコメントを加えるなど、学校生活をイメージしやすいように工夫をこらしていた。

学校見学では参加者を10数名ずつに分けたグループに、生徒2、3名が帯同。教室や食堂、体育館、武道場など、校内の施設を順番に案内して回った。各施設をどのように紹介するかは案内役の生徒に任されており、「私は運動部ではないので、使い心地はわかりません。今、ちょうどバスケ部が活動中なので見て感じてください!」といった正直なコメントに参加者から笑いがもれる一場面もあった。

授業体験を受ける中学生のサポートもメンバーが担当。英語や国語、社会、数学と志望コースごとに異なる授業の教室への案内や休憩時間のトイレへの誘導を行うほか、中学生からのさまざまな質問に、丁寧に対応をしていた。

すべてのプログラムを終えると、この日の活動に参加したメンバーが全員集合。高校2年生のリーダーから、ねぎらいの言葉や初めて広報活動に参加した1年生のがんばりを評価する言葉があり、今回の活動で気づいたことや改善点をチームで共有するための感想の提出を呼びかけて、終了となった。

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活躍する生徒の姿から未来の高校生活をイメージ

学校説明会に参加した保護者にSTARの生徒たちについて聞くと、「壇上に立った生徒さんたちが堂々と話をしていて感心しました。高校になるとうちの子もあんなに話せるようになるのかなと楽しみになりました」、「学校見学では暑い中、歩き回りながら一生懸命説明をしてくれて、真面目でいい生徒さんたちがいる学校だなと感じました」といった答えがあった。また、参加した中学生からは「『駅から歩くの大変ですか?』みたいなくだらないことを聞いたのに、優しく答えてもらえてうれしかったです」「みんな仲良く楽しそうで、自分もこんな高校生活を送りたいと思いました」と、憧れを込めた声が上がった。

STARメンバーインタビュー

佐藤 光桜さん(高2)
山田 愛華さん(高2)
篠﨑 惺南さん(高2)

Q1 「STAR」に入ったきっかけは?

山田 中学でも学校紹介をする活動をしていたので、高校でもやりたいと思って入りました。

篠嵜 僕自身が中学生の時に麗澤の説明会に参加し、生徒が説明や案内をしてくれることに感動し、自分も入学したらぜひ参加したいと思ったため入りました。

佐藤 私はおしゃべりが大好きなので、自分の得意なことを活かせるのではないかと思って入りました。

Q2 活動のやりがいは?

篠嵜 自分のプレゼンのスキルアップも嬉しいですが、後輩に教えることです。自分ができることと人に教えることは別なので難しい。でも、やりがいを感じます。

山田 自分なりに工夫をした学校案内で、参加した中学生や保護者の方が麗澤に興味を持って下さると、やった!という気分になります。

佐藤 いろいろな人とお話しができることです。あと、説明会で話すためにこの学校のことを見直すと、いい点がたくさん見つかるのも嬉しいです。

Q3 活動を通して成長できたことと今後の目標は?

山田 私は予想外のトラブルに対応できなかったのですが、次第に臨機応変に対応する力が身につきました。今後の目標は、説明会に来てくださったみなさんに、麗澤っていい学校だなと思ってもらえることです。

佐藤 1年生の冬に1年が主体となって仕切るイベントがあり、そこでリーダーを担当したことで、組織を運営する難しさを実感し

ました。間違いなく正確に指示を伝える大切さや、人に気持ちよく動いてもらうための声のかけ方を学ぶことができました。目標は、チームみんなで成長していくことです。この活動にやりがいを感じて、楽しみながら成長していければ一番ですね。

篠嵜 プレゼン力を高めることができました。でももっとよくしたい。僕たちの言葉で受験生や保護者の方が麗澤を知ってくれるので、魅力をよりよく伝えられるようにしたいです。僕は将来、建築に関わる仕事をしたいので、人に伝える力やコミュニケーション力を高めたいと思っています。

Q4 麗澤の魅力を教えてください。

篠嵜 勉強も学校生活もどちらも全力で楽しめることです。勉強については先生方のサポートが手厚く、自分にとっては最高の学習環境だと思います。学校生活については、生徒の活動の自由度が高く、自分たちでやりたいことに挑戦できることです。部活のための施設が充実しているのも自慢ですね。

佐藤 勉強面では英語の力をつけられること。私は英語が苦手で、できればやりたくないと思っていましたが、麗澤の英語の授業のおかげで、英語が少しずつ楽しくなってきました。留学などの機会もたくさんあるので、英語好きな中学生にもお勧めです。クラブ活動や委員会活動も盛んで、私はSTARのほかにも視聴覚委員をしています。委員会活動で機材などにふれることで、大学ではメディア関係の勉強をしたいと思うようになりました。

山田 先生と生徒の距離が近く、常に親身になって対応してくれるのがよいところだと思います。私もよく先生にいろいろな相談をするのですが、適切なアドバイスをくれて、背中を押してくれます。また、生徒同士もとても仲が良く、学校全体がアットホームで安心して楽しく過ごすことができる場所です。

取材日:2024.8.25