手厚い少人数指導と中高一貫の
スケールメリットで社会に貢献できる生徒を育てる

埼玉栄中学・高等学校

手厚い少人数指導と中高一貫のスケールメリットで社会に貢献できる生徒を育てる

多彩な教育システムで自学自習の姿勢を養い、社会で活躍できる人材を育成している埼玉栄中学・高等学校。創設者の「時の流れはその時代の変化を生み、新しい時を刻みながら、次の時代を創っていく。すべてのものに年輪があるように、風雪に耐え抜いた風格ある学校を目指したい」という思いを語り継ぎ、現代の教育へと発展させてきた。2024年中学入試の志願者数は5444人と、23年より15%以上増加。年々人気が高まる埼玉栄中学・高等学校の教育について、勅使河原貞教頭に話を聞いた。


医学・難関大・進学、特色ある3クラス制

中学には、医学、難関大、進学の3つのクラスを設置。6年間中高一貫体制で学ぶ。進級時にはクラスの移行も可能だ。

世界に通用する医師を目指す医学クラスでは、学力はもちろん、医師としての倫理観や使命感を醸成。提携の日本大学をはじめとする大学の医学部訪問では、現役の医学部生と一緒に講義を受けるなど、医学への意識を高めている。2024年3月の医学部医学科への合格実績は11人と躍進。小テストなどを積み重ねることで基礎学力を養い、自学自習の姿勢も身につけたことが、高い合格実績につながった。また、医学部志望者向けの学内予備校では、小論文や面接対策などの個別指導も行っている。

難関大学への合格を目指す難関大クラスでは、東京大学史料編纂所や官公庁などを訪問。将来の選択肢を広げ、大学進学のイメージを固めている。

進学クラスでは、勉強と部活動を両立して基礎学力を確立する。理科では中学3年間で100時間を実験に充てるなど、中高一貫のスケールメリットを生かした教育を行っている。

中学は、生徒と教員の距離の近さが魅力だ。24年度入学生は141人で5クラス編成。1クラス30人程度の少人数だ。勅使河原貞先生は、こう話す。

「生徒、教員ともに少人数のため、学年に縛られることなく、全教員が親身になって生徒に関わっています。いつでも教員に質問でき、気軽にコミュニケーションが取れる信頼関係を築いています」

学力向上を支える学習システムと教育環境

埼玉栄では、朝の0時限と夕方の7時限に希望者対象の演習授業を実施している。中学生は英語・数学・国語の3教科が中心で、定期試験前後には5教科の補習も行われる。演習授業では教員と外部講師が綿密に連携して、授業進度や生徒の得意不得意を共有。基礎力の定着が必要な生徒には手厚いフォロー体制を整え、成績上位者にはさらに学力を伸ばす指導を行っている。7時限授業では、中3が高1の講座を受講することも可能だ。このほか、英検・漢検に全生徒が挑戦するなど、多彩な教育プログラムが生徒の学習を支えている。

授業力向上のための取り組みも活発だ。年に2回の研究授業月間では、教員同士がお互いの授業にアドバイスを送り、評価を共有。また、生徒による教員への授業評価や、授業参観で保護者アンケートを行うなど、生徒や保護者の意見を積極的に取り入れている。

昨年は、進路・進学の司令塔である進路指導センターを、進路指導科に再編。生徒一人ひとりの成績を詳細に把握し、希望進路の実現に向けて戦略的にサポートしている。生徒集会や保護者会、進学講演会も数多く開催する中で、学習する意義を考えるとともに学習方法を見出していく。

教育DX(デジタル・トランスフォーメーション)にも力を入れている。全教室にホワイトボードとプロジェクターを、屋上には5G基地局を設置するなど、ICT環境を整備した。全生徒が1人1台のiPadを使用し、小テストの自動集計や答案の投影、デジタル上での課題配信・提出など、効率的な授業を展開している。さらに、学習ツールClassiを用いて、学校独自の面談記録「生徒カルテ」を作成。6年間を通して進路指導や日常生活の悩みに対応している。このほか、探究的な学習の一環として、毎年様々なテーマでプレゼンコンテストを開催し、ICTを活用した自己表現力を磨いている。

校外にも広がる多彩な学習の場

少人数制の良さを生かした校外学習も特長だ。設定されたテーマに沿って、学年ごとに1日校外学習を実施しているほか、8月には宿泊型の校外学習(1・2年生)、11月には沖縄への修学旅行(3年生)など、多彩なプログラムがある。校外学習によって生徒と教員がお互いを理解し合えるメリットがあり、普段の授業との相乗効果も発揮している。生徒の様子について、勅使河原先生はこう話す。

「沖縄の修学旅行では、実際に戦争を経験した方の話を聞くことで、平和の大切さを重く受け止め、その後の授業での発言が変化していきました。校外学習は普段の学習姿勢に影響を与えており、中学で体験学習を行うことの大切さを実感しています」

部活動も盛んだ。中学では85~90%の生徒が所属している。全国レベルで活躍するクラブもあり、勉強と両立しながら活動している。1クラブにつき1施設を使用できることや、一流の指導者がいることも魅力だ。

埼玉栄は、最寄り駅から学校まで徒歩4分とアクセス良好な場所にある。JR埼京線や湘南新宿ラインなど複数の路線を利用できるため、全生徒の20~30%が都内から通学している。神奈川や千葉、群馬から通う生徒もいる。通勤ラッシュの混雑を避けた安心安全な通学が可能で、心身の負担を軽減し、学校生活に集中できる環境が整っている。

最後に、勅使河原先生がこうメッセージを送る。

「社会に通用する国際人になるために、授業や行事を通して日本についてよく学び、自分の価値観を確立してほしいと思います。中学では手厚い少人数制で、高校ではスケールメリットを生かした多様性のある環境で、真心と勇気をもって全力で指導に当たります。本校で、自分の夢を実現するとともに、国際社会で活躍できる人材へと成長してほしいと思います」

取材日:2024.5.9