ノブレス・オブリージュの精神を掲げ将来の夢に向けて、
自ら努力し続けることができる生徒を育てる
東京都市大学 等々力中学校・高等学校

「ノブレス・オブリージュとグローバルリーダーの育成」を教育理念に掲げ、変化の激しい時代にあっても崇高な志を持って社会に貢献できる人材の育成に尽力する東京都市大学等々力中学校・高等学校。学校生活を通して、生徒たちが自ら学ぶ意味を考え、目標達成のために努力する姿勢を身につけることができるように、さまざまな学習支援プログラムを実施している。この春同校を卒業し、現在東京大学(文科二類)に通う津久井和輝さんと学年部長の又川初恵先生に、「生徒の夢を応援する」都市大等々力の魅力について語ってもらった。
―まずは都市大等々力中学に入学した理由を教えてください。
津久井 小学5年生の時にアメリカから帰国したため帰国生入試がある中学校に絞って探していたところ、塾の先生に勧められたことがきっかけです。漠然とですが当時から将来は国際関係の仕事がしたいと思っていたので、英語やグローバル教育に力を入れている点に魅力を感じました。
―どんな中学時代を過ごしましたか?
津久井 中学の間はあまり勉強に意識が向いていなくて、たくさんの友達をつくって楽しく過ごすことに夢中でした。中1で文化祭実行委員をやったときは、初めての経験で決してうまくはできなかったのですが、クラスみんなのために貢献する仕事にとてもやりがいを感じました。
又川 中学時代の津久井君の印象は「天真爛漫」。休み時間には歌ったり踊ったりと、楽しいことを見つけては毎日笑って過ごしていました。当時の彼は決して東大に進学するタイプには見えなかった。けれど、すごく仲間思いで、自分で自分のやりたいことを決める自立心のある生徒でした。

将来像を描いたうえで大学受験に挑む強み
―どんなきっかけで勉強に力を入れるようになったのでしょうか?
津久井 中3の定期テストで偶然いい成績が取れて、高い順位になったことがすごく嬉しかったんです。そこからは、次は「この科目で何位以内を目指そう」と目標を決めて努力するようになりました。遊びに注いでいたエネルギーが一転勉強に向いて、自分でも落ち着いたなと思います。高校からは成績上位になりましたが、トップではなく10位前後というところでした。けれど、世界史が好きになったこともあって、将来は国際的に活躍できる仕事をしたいという気持ちが強くなり、そのために大学は国立大など高みを目指そうと考えるようになりました。学年部長の又川先生には、中3のころに学内の人間関係について相談した際にとても親身になって話を聞いてもらったことから、進路についても相談するようになりました。当初、京都に行ったことがなかったため京大に憧れていたのですが、その夢を又川先生が後押ししてくれました。その後、より高みを目指そうと東大へ進路を変えた際にも「大丈夫」と応援してくれました。
又川 東大は成績トップの生徒が目指すことがほとんどなのですが、津久井君の場合は、帰国生で英語のリスニングやスピーキングの力があり、文系理系どちらもバランスよく得意な点も国立大入試に有利だと考えました。何より将来のやりたいことを見据える視野の広さなどから、本格的に取り組めばきっといけるのではないかという手応えがありました。本校の進路指導は中学の段階で将来の仕事を考え、高校では大学について考えるというステップがあります。大学がゴールではなく通過点であり、その先にどのように社会に貢献できる人を育てるかを考えて、私たちは指導をしていますし、実際に将来像を持つ生徒は受験に力を入れることができるんです。
生徒の自学自習をサポートする環境
―大学受験にはどのように取り組みましたか?
津久井 まず勉強を習慣化させるために、高1からは部活が終わるとすぐに自習室に行くようにしました。学校が終わったあと家に帰ると勉強する気持ちが途切れてしまうので、隣接する建物(等々力リテラシーセンター)にある自習室で勉強できる環境は、私に向いていました。自習室にはチューターの方がいて、勉強や進学について丁寧に答えてくれましたし、一緒に勉強する友達とも励まし合うことができました。高2からは東大を目指すことを決めたので受験勉強にも本腰を入れ、毎日自習室に通うようになりました。特にありがたかったのは、東大生のチューターの方からのアドバイスです。どこの模試を受けた方がよい等、実体験に基づく具体的なノウハウを教えてもらうことができました。
―受験勉強の途中、壁にぶつかったことはありますか?
津久井 模試でかなり悪い判定が出たときは、正直逃げ出したくなり志望校を変えようかと迷いました。けれど、又川先生から「大丈夫、がんばろう」と力強い言葉をもらったことで、立ち直ることができました。また、一緒に勉強している仲間からも「もったいない」「お前は東大を目指せ」と励ましてもらい、嬉しさと同時にある種の責任感のようなものも感じるようになりました。友達をはじめ、周囲に東大を目指すことは隠さずに言っていたので、私が頑張ることで学年全体の受験へのモチベーションを盛り上げていけるといいなと思ったのです。
又川 自分だけでなく、周りも引っ張っていこうと考えられるのが、津久井君のすごいところだと思います。中学時代からの誰とでも仲良くなるオープンなマインドや仲間を大切にする姿勢が受験においても変わらず発揮されましたね。

学ぶことの意味を自ら見つけ出す
―今後の目標について教えてください。
津久井 今は大学で国際関係について学んでいます。将来の仕事について具体的には決まっていませんが、国連など国際的な舞台で社会貢献ができればと考えています。また、私自身がお世話になった自習室のチューターに登録しました。東大を目指す後輩の力になりたいですね。都市大等々力にはノブレス・オブリージュという教育理念があります。中学校に入学したばかりのころは何かカッコつけているようで気恥ずかしかったのですが、学年が上がるにつれて言葉の意味がわかるようになりました。受験においては、ただ自分が東大に合格して終わりではなく、周囲にもいい影響を与えられれば嬉しいですし、自分自身は学ぶことで、今後、能力や立場に見合った責任を果たしていきたいです。
―最後に先生から受験生の方へのメッセージをお願いします。
又川 本校は生徒の個性を大切にする教員が揃っています。一人ひとりがまったくちがう1学年234名の生徒と、その保護者の方のことも考えて日々指導にあたっています。進学校ではありますが、「全員東大を目指そう!」というのではなく、生徒の将来像に合った高みを目指していきます。私たちは生徒の夢のために共に全力で前に進みます。共に最高の6年間を過ごしましょう。
取材日:2025.6.14