「文化祭も日々の学校生活も、自分たちの力でよりよくしよう」
自主性あふれる高等学校生徒会執行部の活躍
国学院高等学校
国学院高等学校の文化祭は、1800名近い全校生徒が一丸となって開催する、同校の名物行事のひとつだ。この大イベントの企画立案にはじまり学内装飾や宣伝、来場者案内までをこなすのが同校の生徒会執行部。文化祭を中心に生徒の日々の学校生活をも縁の下で支える生徒会執行部とはどのような組織なのか。生徒会指導部部長の平山美永教諭、同副部長の笠原卓巳教諭と天草裕貴教諭ら先生方にお話をうかがった。また、現在生徒会執行部で活躍中の3年生にも活動の魅力を聞いた。
―国学院の文化祭は生徒にとても人気があると聞きました。どんな点が魅力ですか。
平山 学年ごとの出し物がクラス単位、クラブ単位で多くの企画が実施され学校全体が大いに盛り上がります。協力してひとつの目標に取り組むことで生徒は大きく成長しますし、生徒同士の絆も深まります。文化祭の前と後で学校全体の雰囲気ががらっと変化しますね。
笠原 中学生の来場者も多いのですが、これだけ大規模なイベントを生徒が主体となって実施していることに感動して入学を決めたという話もよく聞きます。
―文化祭を実施している生徒会執行部とはどんな組織ですか。
平山 本校の生徒会執行部は、選挙で選ばれる生徒会長と副会長の2役をのぞき、すべて入部希望者による有志の組織です。学年によって人数にばらつきはありますが、毎年多くの生徒が入ってきてくれるため、現在は全員で100名くらいの規模で活動しています。
―多くの生徒が自ら生徒会執行部に入ろうとする理由は何でしょうか。
天草 私はこの学校の卒業生なのですが、私が生徒として通っていた20年ほど前は、生徒会執行部はほとんどの生徒に知られておらず部員数も多くはありませんでした。今はとても存在感があり、生徒の注目度も高いですね。
笠原 入学希望者を対象にした学校説明会では、生徒会執行部の生徒が案内役を務めるのですが、そうした公の場で堂々と活躍する先輩の姿を見て、入学後生徒会執行部に入ってくる生徒もいますね。文化祭などもふくめて生徒会執行部が活躍すると、「自分もやりたい!」と希望者が増え、さらに生徒会執行部の活動が盛り上がるというよい循環ができています。
生徒のやる気やアイデアを尊重する指導を続ける
―生徒会執行部を指導するうえで、大切にされていることは何ですか。
笠原 今の生徒会はやる気に溢れる生徒が集まっています。新入生は先輩の頑張る姿をロールモデルとして学んでいます。こうした自主性と後輩が育つ環境をサポートしたいと考えています。
天草 教員はあくまで相談役にまわり、彼らの自主性を生かせたらと思います。本校の生徒会執行部は、自分で考え、実行できる生徒たちです。行事を通して成長する彼らを間近に見られるのは、生徒会指導部の役得だなと思っています。執行部の生徒たちと教員はいい意味で対等な関係にあると思いますし、今後もそうであれたらと思います。
平山 新型コロナ感染症のため、学校行事にも規制が必要となっています。文化祭などでも生徒がやりたいと考えた企画の実行が難しいこともありますが、実現可能なラインを一緒に探ったり、別のアプローチをすすめたりと生徒のやる気やアイデアはできるだけ尊重するようにしています。
生徒会執行部やクラブなどだれでも活躍できる場がある
―受験生へのメッセージをお願いします。
天草 本校は勉強も部活もどちらもがんばろうという教育方針です。私は高校時代、部活人間でしたが部活に一生懸命取り組んだからこそ、勉強にも精一杯取り組めました。本校でぜひ、豊かな学校生活を送ってください。
笠原 本校は生徒数が多いため、人間関係が多彩です。クラス内外、クラブ、生徒会執行部など、もしどこかで人間関係に失敗しても必ず新たな居場所が見つかります。また、生徒と教員の距離感が近く、生徒が気軽に相談を持ちかけられる関係を築いています。
平山 本校は生徒会執行部をはじめやる気のある生徒が活躍できる場がたくさんあります。目立つ場所だけでなく、縁の下でがんばる生徒も一緒になって学校生活を楽しんでいます。高校で何か一生懸命になれるものを見つけたい人はぜひ本校にどうぞ。
「みんなの学校生活をもっと楽しいものに!」
生徒会執行部からのメッセージ
石川 学校見学で案内を担当していた生徒会執行部の先輩方が、とても楽しそうな雰囲気だったため、自分も同じように活動をしたいと考えて執行部に入りました。3年間の活動の中では新型コロナの影響で、いろいろな学校行事が中止となってしまうこともありましたが、そのなかでも今年は新入生のためのクラブ紹介動画づくりに全力で取り組みました。また、目安箱を設けて学校生活に対する意見を募り、校則改定のために学校側と話し合うなどの活動も行っています。文化祭などのイベントに比べると目立ちませんが、こうした活動も学校生活をよくするために欠かせません。生徒会執行部では、自分で企画を考え、たくさんの人の協力を得ながら実現に向けて努力するという経験をすることができました。ほかの人の意見を聞いて初めて気づくことが多く、視野が広がったと思います。
浅田 入学前に訪れた文化祭がとてもパワフルで、「生徒主体でこんな文化祭が開催できるんだ!」という驚きが、入学理由であり生徒会執行部に入った理由です。1年生の時の文化祭ではクラスで一致団結して舞台発表やイベントに挑み、最高の思い出をつくることができました。生徒会執行部では文化祭などイベントの開催だけではなく、地元商店会と協力して地域の清掃活動などにも取り組んでいるため、学校外の人と接する機会も多くあり、さまざまな年代の方と交流できたことはとてもよい経験になりました。本校の生徒会執行部は有志の集まりなので、みんなやる気にあふれていて、「自分も楽しみながら、みんながもっと楽しめるように学校生活を盛り上げよう」という精神で活動しています。新型コロナの影響で一定の規制はありますが、今年の文化祭もぜひ生徒の心に残る楽しいものにしたいですね。
取材日:2021.9.7