2025年、学校改革
『KASEI(家政)から新しいSEKAI(世界)へ』

東京家政大学附属女子中学校・高等学校

学園創立143年目を迎える東京家政大学附属女子中学校・高等学校。建学の精神「自主自律」と生活信条「愛情・勤勉・聡明」のもと、一貫した女子教育を実践している。2025年より、高等学校でコース制を導入するほか、中高大連携の強化や制服のリニューアルなど、大規模な学校改革に着手する。


高校コース制導入により生徒の希望進路を実現

2025年から、高校ではコース制がスタート。新カリキュラムに生まれ変わる。新たにコース制に移行することで、より多様な進路選択が可能になる。コース制導入の背景について、大澤力校長はこう説明する。

「本校は併設の東京家政大学にはない薬学や経済学などの学部・学科を志望する生徒が増えています。併設大はもちろん、国公立大や海外大への進学を目指す生徒もおり、そんな多様な進路を積極的に切り開いていくためにコース制を導入し、カリキュラムを刷新します。これにより、生徒の自己実現をサポートしていきます」

改革の一環として、海外留学や語学研修などの海外プログラムも強化していく。昨年度は、高校生対象の語学研修や、ターム留学、イングリッシュキャンプを再開した。24年度から、中学生対象のターム留学がスタートする予定だ。大澤校長がこう話す。

「生徒の海外への関心が非常に高く、昨年実施した高校生対象の海外プログラム説明会には、およそ100組が参加しました。実際に留学を経験すると、生徒の表情は大きく変わります。実体験が生徒に与える影響の大きさを実感します」

また、中学ではIB教育や探究活動にも力を入れている。生徒の英語力や表現力が向上しており、英検等で好成績を修める生徒も増えているという。現在は、中学がMYP候補校となっているが、高校でも探究的な学びや英語教育の充実が図られており、中高6年間を通じて生徒の学力を伸ばす体制を整えている。

中学ではチャットGPTを活用した授業が始動するなど、さらなる進化を遂げている。キャリア教育も強化していく予定だ。現在も、同校卒業生による講演など、多彩なプログラムを展開している。「25歳」になった自分を見据えて、今やるべきことを考える"ヴァンサンカン・プラン”を、今後さらに進化させていく。

「IB教育や探究活動、海外研修などを通して、自分自身がやりたいことを見つけ、積極的に進路を切り開くきっかけにしてほしいと思います」(大澤校長)

進学実績も好調だ。23年度卒業生の中には、国公立大や、難関私立大などに合格した生徒もいる。併設大には例年30~35%が進学しているが、24年度から推薦枠が1・5倍超の200名以上に増える。それに伴い内部進学率も上昇すると想定している。附属校として併設大との連携を進めながら、他大学進学にも力を注いでいく。

25年度から制服もリニューアルする。同校の改革への姿勢を具現化する新制服には、スカートを2種類用意し、1種類は生徒と教員の投票により決定。もう1種類は、生徒が考えたデザインを採用する。生徒の意見を多く取り入れることで、主体性を養うとともに、より快適な学校生活を実現していく。

附属校のメリットを生かし中高大連携を強化

附属校として、大学の知財や人材、施設設備の活用を積極的に進めている。

大学の教員や学生との交流の機会も豊富に用意。外部団体や大学と連携した共同研究などを進めている。このほか、大学の教員による授業や、東京家政大学に進学した同校卒業生によるゼミの発表などを通して、大学が持つ知的財産を中高の教育にも生かしている。

26年には学園の140周年記念棟が完成する。中高生と大学生がともに利用する施設として活用される予定だ。1階には学園の歴史と伝統を学べる博物館を設置。ICT活用の拠点や、アクティブラーニングを促進するラーニングコモンズなど、最先端の施設・設備が誕生する。中高大連携がさらに進みそうだ。

最後に大澤校長が、受験生に向けてこうメッセージを送る。

「創立以来築いてきた歴史と伝統の女子教育を守りながらも、次の時代を切り開き、『KASEI(家政)から新しいSEKAI(世界)へ』と羽ばたいていきます。そして、建学の精神『自主自律』、生活信条『愛情・勤勉・聡明』を柱とする人間教育のもと、多感な中高生の心身の成長を受け止め、学力、人間性ともに育てていきます。乳幼児から大学院生までを擁する学園全体が一体となって、大きく成長していきたいと思います」

取材日:2024.4.8