DXハイスクールに採択
3つの建学の精神「礼節、勤勉、協調」の下で育成するDX人材とは

秋草学園高等学校

「愛され信頼される女性の育成」を建学の精神とし、「礼節の心、勤勉な態度、協調の精神」をもった人材育成に力を注いでいる秋草学園高等学校。高校単独の女子校として、進路にあわせた4つのコースを設置し、多様な個性を尊重する教育を実践している。学校改革も進行中だ。今年、文部科学省が推進する「DXハイスクール」に採択されたことを皮切りに、デジタル人材育成にも取り組んでいくという。これからの教育について、今年校長に就任した遠山季代子先生に話を聞いた。


―今、進行中の改革について、お聞かせください。

遠山 生徒が卒業した後、最も活躍する時期が10年後、15年後です。その時代に求められる力を養う教育を実現していくというコンセプトのもと、デジタル人材育成に向けたプログラムと、生徒の個性を伸ばす探究学習、英語力の向上に取り組んでいます。

DX化については、今年DXハイスクールに採択されたこともあり、新たなプログラムを進めています。本校は、幼児教育系の進路を目指す幼保コース、多様な進路を実現するAGコース、部活動と勉強を両立しやすい選抜コース、一般選抜で大学進学を目指す特選コースの4コースを設置。普通科の中に4つの学校があるような雰囲気です。DX人材を育てるプログラムは、各コースの特色を生かしつつ、全コースで導入する予定です。

DX化に加え、生徒一人ひとりの個性を伸ばす教育も併せて行っていきたいと考えています。

総合的な探究の時間に、生徒自身の思考力を深めるプログラムを導入。自分の考えを表現する力を養いながら、個人探究で地域課題やフィールドワークなどに取り組みます。自分の興味・関心を知り、どうアプローチしていくのかを柔軟に考える力を磨いてほしいと思います。

また、日本は労働人口が減少し、外国人労働者が増えています。こうした時代の中で、英語力を高めることも重要です。英語教育については基礎から段階的に学習し、英検にも力を注ぐなど、高い英語力を身につけられるカリキュラムがあります。興味がある生徒にはフランス語や韓国語、中国語を学べる体制も整えています。生徒の関心の幅を広げていくために、語学の学びをさらに充実させていきます。

遠山 季代子 校長

―3つの精神「礼節・勤勉・協調」を育てる教育にも定評があります。

遠山 学校教育における「不易流行」の変わらない部分が、3つの精神「礼節・勤勉・協調」です。

このうち、学校生活を送る上で大切にしているのが「礼節」です。登下校時には正門で一礼するなど、挨拶を徹底しています。生徒たちは、来客時も積極的に挨拶しますし、目上の方々への振る舞いや言葉遣いも配慮が行き届いています。礼節を学ぶ機会になっているのが、浴衣の着装の授業。お辞儀の仕方やものの受け渡し、浴衣のたたみ方など、和文化について学んでいます。

「勤勉」については、目の前のことを一つひとつ継続することの大切さを伝えています。勉強や部活動、それ以外のことにも、努力を積み重ねる生徒が目立ちます。

「協調」には、女子校である環境が生かされています。女子だけなので、みんなで協力し合う姿勢が自然と身についているようです。体調の悪い人や困っている人に対しては丁寧に対応し、自分が困ったときには、周りの人に協力してもらう。そうした姿勢が、一歩前に踏み出していくリーダーシップの育成につながっています。中学までは人前に出ることが苦手だったけれど、入学後、部活動や学校行事などのいろんな場面でリーダーシップを発揮するようになった生徒もいます。女子だけの環境だからこそ、新たな力が開花していく。そんな生徒がたくさんいます。

―受験生や保護者に向けてメッセージをお願いします。

遠山 秋草学園は、生徒一人ひとりの可能性を信じる温かな雰囲気がある学校です。変わりゆく時代にひるむことなく、勇気を持って飛び込んでいくことができるように、本校で様々なことに取り組み、柔軟な発想力を養ってほしい。卒業後、それぞれが個性を生かしながら社会の課題に立ち向かっていくことができるように、教員が一丸となって、生徒の成長を後押ししていきます。三年間で、人は大きく成長できます。夢への距離を縮め、可能性を広げ想像以上の未来へ、生徒と共に歩みたいと思います。

DX系プロジェクトの取り組み

今年度からDXハイスクール採択校として、DX化と総合的な探究の時間を掛け合わせたプログラムを導入しています。コンセプトは「未来を開く自分だけの羅針盤」。DXの最新技術を手段に、自分自身の羅針盤を見つけることを目指したプログラムです。生徒自らが問いを見つけて興味・関心を高め、探究の楽しさを味わえるような授業を追究していきたいと考えています。1年次は、外部の専門家を招いて自ら問いを立てる思考法や、生成AIの使い方、データサイエンスの手法などについて学び、1年かけて探究の土台を築いていきます。2年次の個人探究では歴史文化とSDGsを学ぶ沖縄の修学旅行を通じて、正解のない問いに挑む力を養います。生徒自身が独自の企画書を作り、文化祭で発表する取り組みも行う予定です。3年次には、探究の成果をもとに大学進学に向けて志望理由書を作成。生徒自身が望む進路について考え、納得のいく進路を実現できるようにしていきたいと思います。

総探・キャリア教育改革チーフ学年主任|大畠 典子 先生

卒業生からのメッセージ

宮咲 里奈さん(大学4年生)

中学でバスケットボール部に所属していたので、部活動に取り組みながら勉強と両立できる環境がある選抜コースを選択しました。部活動や勉強、学校行事などに全力で取り組んだ3年間でしたが、特に楽しかったのが百人一首大会。個人戦では優勝しました。こういった女子校ならではのイベントがたくさんあるところも、秋草学園の魅力です。中学時代は人前に出て発言することがあまり得意ではなかったのですが、高3のときに体育委員長を務めました。大学生になった今、発表する機会が多くなりましたが、スムーズに対応できているのは、高校時代の経験があるからだと思います。部活動と勉強の両立は大変でしたが、部活動がない放課後に自習室で勉強したり、先生に質問しに行ったり…。時間の使い方を考え、工夫しながら過ごしました。3年次から特選コースに変更。一般選抜での合格を目指して受験勉強に取り組み、志望校に合格することができました。秋草学園には、挑戦したいことに対して、サポートしてくれる先生や仲間がたくさんいます。進路がまだ決まっていない人や、やりたいことがない人も、秋草学園でいろんなことに挑戦すると、自分らしく成長できると思います。

入江 栞夢さん(大学3年生)

中学生の時、秋草学園の校舎を回る塾主催のツアーに参加しましたが、初めて来た学校なのに安心感がありました。その直感を信じて特選コースに入学しました。特選コースはクラス替えがないため、3年間クラスメートは変わりません。最初は人間関係への不安もありましたが、文化祭などのイベントを通して絆がどんどん深まっていきました。3年間過ごした仲間との絆は強く、今も高校時代のクラスに戻りたいと思うことがあります。3年間、大学受験に向けて勉強に取り組んできました。入学前から秋草学園は勉強面のサポートが熱心だと聞いていましたが、本当に手厚いサポートがありました。中学までは、効率が悪い学習方法をしていましたが、先生からのアドバイスもあり、自分自身の課題を見つけることができました。先生や友人とのコミュニケーションを通して、今の自分に何が必要なのかを考える力や、他の人を上手に頼る力も身につけられました。先生たちのサポートのおかげで受験勉強に集中することができ、志望校に合格しました。やりたいことや進みたい道がある人も、そうでない人も、秋草学園で学ぶことは貴重な経験になると思うので、ぜひ受験してほしいです。

取材日:2026.8.14