特色あるグローバルな教育環境が生徒の可能性を広げる!
ダブルディプロマコースが牽引する、文化学園大学杉並中高の変革

文化学園大学杉並中学・高等学校

カナダのブリティッシュコロンビア(BC)州と提携を結び、日本とカナダ両方の高校卒業資格が取得できる日本初のダブルディプロマコースが、文化学園大学杉並高等学校で始まったのは2015年のこと。その後、同中学校でもDD準備コースを開設するなど、グローバルな教育環境を本格化。2022年からは中1からカナダの数学や理科科目を学ぶ英語上級者向けコースも始まり、同校の特色ある教育プログラムへの注目は一気に高まっている。入試広報部長の西田真志先生に、ダブルディプロマコース開設による学校の変化と、今後の展望について話を聞いた。


「本校の英語教育プログラムの大きな特色は多様な教育環境の提供です」と西田真志先生は力強く語る。

現在、文化学園大学杉並中学校の教育プログラムは、大きく3つに分かれている。中1を例にとると、英語上級者向けの2つのコースのうち、DD7は、英語10時間のほかカナダの理数科目を含む週17時間のオールイングリッシュの授業があり、加えて日本の数学と理科も行われる。同じ上級者向けでもAdvanced7では英語は同じく10時間だが、理数科目は日本先取り教育をベースに授業が行われている。一方、英語初心者向けのStarter7ではネイティブ教員による7時間の英語と日本語教員による2時間の英文法が行われており、その中でも生徒のレベルに合わせたクラス分けがされている。

「Starter7であっても英語の授業はネイティブ教員によるグループワークやペアワークなどを中心とした、生徒が主体となって参加するスタイル。単語の暗記や文法から学んでいくのではなく、会話や課題発表など英語をどんどん使って、楽しく学んでいくことに力を入れています」

中学から英語を頑張りたい初心者組が大きく伸びる環境

私立校では英検などの検定試験のスコアを採用する入試枠などもあり、入学時から英語力の高い生徒が集まる中学校も増えている。そうした中、同校は帰国生などハイレベルな英語力を持つ生徒が集まる一方、入学時点では、ほぼゼロからのスタートとなる英語初心者や英検4〜5級のミドルクラスの生徒が多数である点は、大きな特色と言えるだろう。

「入学段階で英検の級を持っていなかった英語初心者の生徒たちが、数ヶ月後の英検で4級や5級に合格しています。初心者からスタートして、中学生のうちに2級を取得する生徒もいます。個人的にはゼロからスタートした生徒が、英語力をぐんぐんと伸ばしていくと本当に嬉しいですね。帰国生などが英語を自由に使いこなして学ぶ姿を見て、やる気を出す生徒も多いようです。自然と高いレベルを目指していける環境があるって、すごいことなんじゃないかと思っています」

将来の選択肢を広げ常に世界を意識して学べる環境

中学校受験に挑戦する時、子どもはまだ11、12歳という年齢。将来どんな大学に進むべきか決めていることは稀だ。多くの子どもたちは、中学高校の6年間の学びの中で、少しずつ自分の学びたいことや、やりたいこと、将来の仕事へのビジョンなどを固めていく。同校では、中1時点では英語初心者向きクラスのStarter7で学び始めても、一定の条件をクリアすることで、2年生でDD準備コースに進み、高校からダブルディプロマコースで学ぶことも可能だ。実際、高校からのダブルディプロマコースへの進学を想定した、DD準備コースを選択する生徒数が増えているという。

「特にこの1、2年で、ダブルディプロマコースの人気が非常に高まっています。BC州の提供するカナダの教育プログラムでは、少人数制教育が徹底されているため、カナダ側とも教員の手配などについて協議しつつ、生徒たちの熱意に応えられる体制づくりに現在取り組んでいます。昨年度は高校のDDコース卒業生41名から、カナダでナンバーワンと言われるトロント大学を始め、ブリティッシュコロンビア大学など、25名の海外大学合格者が出ました。日本で学びながら海外の大学進学を視野に入れられる学校として、今、まさに、本校は変革期にあると実感していますね」

カナダの教育プログラムという日本であまり知られていない取り組みに対する不安を持つ保護者には、「ぜひ授業を見に来てください」と西田先生は自信を持って語る。

「移民が多いカナダでは、もともと英語を母国語としない生徒への英語教育が充実しています。また、本校のカナダ人の教員は海外校への赴任経験がある方が多く、その教育力は折り紙つきです。何より生徒たちが本当に生き生きと楽しそうに学んでいますから」

最後に、西田先生に受験生とその保護者へのメッセージを聞いた。

「現在の中学校の入学者は、4人に1人が帰国生でありつつ、ボリュームゾーンは、英語初心者やミドルクラス。でも、だからこそおもしろい。学校生活全体を通して、多様なバックグラウンドや価値観を持つ生徒同士が交流することでお互いに影響し合い、刺激し合う環境がつくられているんです。中学受験の段階で海外大学を目指していなくても、英語が得意でなくても大丈夫。中学高校と学んでいく中で、やりたい!と思ったことにどんどん挑戦できる環境があります。これから学んでいきたい生徒さんを待っています」

取材日:2022.8.25