多彩な体験プログラムが魅力
「自律と共生」のもとで、進化を続ける学校

広尾学園小石川中学校・高等学校

「自学創造」を実現するきめ細かな教育プログラムを実践

2021年、広尾学園との教育連携のもと、男女共学校として新たなスタートを切った広尾学園小石川中学校・高等学校。多様な教育環境と豊かな体験プログラムが生徒の成長を支えている。今年、校長に就任した山地弘起先生が目指しているのが、生徒の可能性を最大限に引き出す新たな学校教育だ。これからの教育について、山地校長に話を聞いた。


―学校の雰囲気や生徒の特徴について、お聞かせください。

女子校時代の文化が残りつつ、ユニークで自由な雰囲気もある。校長に就任して、この二重の校風があると感じました。今は過渡期なのだと思います。

本校は、本科とインターナショナルの2コース制を採用しており、生徒の約3分の1が帰国生です。教員も約3分の1が外国人の多様性あふれる環境です。出自や価値観、外見等がさまざまに異なる生徒や教員が集まっているので日々いろんなことがありますが、この環境で学べることは多いと思います。

社会の中で、自分の役割をどう見出し、自分が持っているものをどう発揮して、貢献していくのか。本校で、生きる力と自身を生かしていく力の両方を養いながら、社会でさまざまな人と関わっていくための土台を築いてほしいと思います。

―豊かな体験プログラムがあります。

文教地区の地の利を生かしたプログラムとして、東洋学専門図書館・研究機関「東洋文庫」との博学教育連携や、歴史ある男子学生寮「和敬塾」との地域連携など、独自の教育活動を展開しています。

山地 弘起 校長

この他にも、生徒の関心や持ち味を反映できるように、多彩なプログラムを用意しています。学外のプログラムを自分で探してくる生徒も目立ちます。活動的な生徒が多いのが本校の特色です。

最近では、アメリカのメジャーリーグ野球選手協会(MLBPA)が提供する教育プログラムに参加した中3の生徒が、動画製作など協働課題を進めながら、国際社会の多様な文化や価値観について探究しました。その結果、優秀な成績を修めて、MLBオールスターゲームに招待されました。

F1車の模型を作ってスピードを競う大会にグループで参加した生徒たちは、シンガポールでの世界大会への出場を果たしました。スポンサー探しやプレゼンテーション、シンガポールに行く旅費集めもすべて自分たちで行いました。夢中で取り組みながら、実力を磨いていく。まさに「夢中に勝る努力なし」です。そういう生徒をさらに増やしていきたいと思います。

―広尾学園との教育連携についてお聞かせください。

 

広尾学園小石川として新たなスタートを切る三年前から、広尾学園のプログラムとシステムを導入。インターンシップやボランティア活動、キャリア教育などで連携を進めてきています。

その一つが、各分野の最先端およびキャリアの最前線で活躍する第一人者を招く「広学スーパーアカデミア」です。質の高い体験や出会いがあるこの講座は、本物に触れながら将来について考える絶好の機会です。この他、教職員の研修や、海外大希望者向けの進路指導、奨学金情報などについても、広尾学園と共有しています。

広尾学園と比べると、生徒数が少なく、学校の規模は小さいですが、そこに本校らしさがあります。アットホームな雰囲気の中、一人ひとりを大切にする伝統はこれからも受け継いでいきます。

―中学から入学した1期生が来年卒業します。

1期生は、インターナショナルコースの生徒が昨年度より多いので、海外大の合格者が大幅に増えると思います。一口に海外といっても、志望する国や大学はさまざま。知識や経験の豊富な教員が一人ひとりをサポートしています。

また、本科コースは東大をはじめとする難関国公私立大を目指して頑張っています。毎年約55%が自然科学や工学、医療系の学部・学科に進学していますが、1期生は医学部志望者が目立ちます。卒業生から話を聞く機会を設けるなど、卒業生との太いパイプを生かしながら、進路指導を行っています。

―今後の改革や展望についてお聞かせください。

本校の教育の理念「自律と共生」は教育機関としては普遍的な理念ですが、現代社会の今日的な課題に対処するための重要なキーワードでもあります。この理念をさらに浸透させていくために、新たな共通理解を図っているところです。次年度以降の教育プログラムや、授業、生活指導に生かし、教員力を高めていきます。また、生徒理解をさらに深めていくとともに、保護者との関係もより近いものにしていきます。

一方、優秀な生徒が集まる私学の場合、同じような人たちが集まりがちで、共生への関心を持ちにくい傾向があります。多様な人々との共生には、クリエイティビティや忍耐力が必要ですが、本校はそこが弱いと感じています。これからの共生社会の担い手になる子どもたちが社会で活躍する2050年頃は、我々には想像できない世界になっているはずです。そんな世界をサバイバルするには、共生力を兼ね備えた逞しさが必要です。子どもたちには、自分と全く違う人たちとの共生について考えながら学習してほしい。その点を意識して、改革を進めていきます。

―受験生の保護者に向けて、メッセージをお願いします。

子どもは一人ひとり、発達の在り方が異なるので、お子様に合った学習環境が提供されているかどうかという視点で学校を選択してください。本校は、生徒一人ひとりを大切にしながら、生きる力の土台を築く教育を行っています。安心して預けていただけると思います。

取材日:2026.9.11