多彩な国際交流プログラムで、
世界平和の実現に貢献するひとを育てる
恵泉女学園中学・高等学校

キリスト教信仰を教育の基盤としている恵泉女学園中学・高等学校。教育の3つの柱「聖書・国際・園芸」のもと、世界に目を向け、平和を実現する人の育成を目指す学校だ。世界の課題を多角的に捉える「平和教育」や、聖書の言葉に耳を傾け、自分の心と対話する「感話」など独自の教育に定評がある。ここでは、教育の柱の一つである「国際」の取り組みについて、英語科・国際交流主任の櫻本佳子先生と2人の生徒に話を聞いた。
恵泉女学園では、多様な文化や価値観を理解しながら、国際的な視野を身につけていくことを目指した国際理解教育を行っている。留学をはじめとする国際交流プログラムや留学生の受け入れなど、国内外で世界に触れる機会を数多く用意。さまざまな経験を通して広い視野や主体性を涵養するとともに、平和に貢献するための相互理解力や対話力を養っている。
留学プログラムは3種類ある。夏休みの2週間、オーストラリアやカナダに行く短期留学。1〜3月の約3ヵ月間、ニュージーランドやオーストラリアで現地の女子校に通う中期留学。約1年間オーストラリアやカナダなどに交換留学する長期留学だ。いずれも高1・2の希望者が対象だ。また、外部の団体を通じて留学する生徒もいるという。
この他、中3〜高2の希望者対象のマレーシア・シンガポール訪問プログラムや、日本国内の外国人留学生を招いて校内で行う1週間のグローバル・スタディーズ・プログラム、発展途上国からの留学生とともに、農作業を行いながら交流を深めていくアジア学院スタディキャンプもある。
このうち、夏休みに実施しているグローバル・スタディーズ・プログラムは毎年80人前後が参加する人気のプログラムだ。自分の意見を英語で発信しながら、グローバル社会で必要な主体性や英語力を養っている。国際交流主任の櫻本佳子先生はこう話す。
「中期留学は学校の代表として行くので、参加者に一定の成績基準を設けていますが、他のプログラムは英語の成績が良い生徒ばかりではありません。グローバル・スタディーズ・プログラムに参加している生徒をみていると、英語力が高くなくても、コミュニケーション能力を発揮しながら積極的に自分の思いを伝え、楽しそうに交流している生徒が目立ちます。生徒の新たな一面に気づくこともあり、このプログラムの意義を感じます」
春休みに行われるマレーシア・シンガポール訪問プログラムは、マレーシアやシンガポールの多様な文化に触れ、SDGsやアジアの諸課題について考えるプログラムだ。このプログラムも生徒の満足度が高く、終了後の生徒からは、「英語をもっと頑張りたい」「広い視野を身につけることができた」など、前向きな感想が多いようだ。
指定校推薦制度で、海外大学進学も
同校は昨年、急成長を遂げているマレーシアの8大学と協定を締結。指定校推薦制度を利用して、マレーシアの大学に進学できるようになった。日本の私立大と同じくらいの費用で通えるのが魅力だ。マレーシアでの大学視察ツアーに参加した櫻本先生が言う。
「マレーシアの大学では、さまざまな国の留学生が学んでいます。料理やワインといったホスピタリティに関する学部・学科など日本の大学にない学部もあり、充実した施設のもとで学ぶことができます。英語で授業を受けるので、すぐに海外で活躍することができると思います。マレーシアの大学に在籍しながら、欧米の学位が取得できる柔軟なプログラムもあります。比較的安全な国なので、お勧めです」
コロナ禍が明けて、国際交流プログラムの参加者は増加傾向だ。今春、マレーシアの大学に進学した卒業生もおり、海外大進学に目を向ける生徒も増えている。今後の展望について、櫻本先生がこう話す。
「これから、海外の高校とも協定を締結して、交流をさらに深めていく予定です。マレーシアの大学だけでなく、欧米の大学にも進学できる制度も検討中です。生徒の将来の選択肢をさらに広げていきたいと思います」
STUDENT VOICE
—お二人が参加したマレーシア・シンガポール訪問プログラムについてお聞かせください。
U・M 以前シンガポールに住んでいて、アジアの文化に興味があったので、参加しようと思いました。シンガポール国立大の学生とグループセッションをしたり、英語で話しながら観光をしたり。楽しみながら英語に触れることができ、積極性も身につけられました。帰国後、英会話の授業でスピーチするのが楽しくなりました。将来、海外で働くことに興味があるので、マレーシアの大学に進学したい気持ちが高まりました。
H・S 海外に行ったことがなかったので、英語を学びながら友達と一緒に観光できると、気軽な気持ちで参加しました。オンラインで現地の高校生と事前に交流してから、プログラムに参加。英語は得意な方ではないのですが、自分の思いを伝えようと頑張りました。いろんな単語を思い出しながら会話をしたのは良い学びになりました。帰国後はもっと英語に力を入れようと思いました。海外は食べ物やお風呂など、日本とは文化が違うので、日本の快適さに気づくきっかけにもなりました。
—グローバル・スタディーズ・プログラムにも参加されたようですね。
U・M 留学生と触れ合うことで、国際交流の楽しさを知りました。自分の強みや夢などについて、英語でスピーチしましたが、自分の英語が相手に伝わったのが嬉しかったです。
H・S グループリーダーの母国の課題を共有し合い、解決策を考えて発表するなど、探究活動に取り組みました。他国の課題について、探究のステップのもとで学べたのが良かったです。リーダーシップやマネジメント能力なども養うことができました。
—恵泉女学園の魅力を教えてください。
U・M さまざまなプログラムがあり、自分の選択肢を増やすことができるのが魅力です。木がたくさんある校舎は温かい雰囲気で居心地が良いですし、自由な雰囲気があります。制服がないので天気や気分に合わせて服を選べるのもうれしいです。
H・S 恵泉女学園は、女子だけなので個性を出しやすいです。みんな伸び伸びとしていて、楽しく学校生活を送っています。
取材日:2026.9.24
